エクセター大学が馬と騎手の安全性を向上させるために実施した幅広い研究を受けて、英国の競馬場にある置障害(ハードル)と固定障害(フェンス)の色は変更されるだろう。
BHA(英国競馬統轄機構)が昨年同大学に委託したこの研究により、馬は障害と踏切板を示すために現在使われているオレンジ色よりも、蛍光の黄色と白で色づけされた障害により良く反応することが分かった。
騎手が見分けやすい色はオレンジだが、馬は同じ色覚を持っておらず、青と黄色のほうが見分けやすい。
調査研究は結果として、すべての置障害に蛍光の黄色、固定障害の踏切板に蛍光の白色を使い、段階的な試行を実施することを勧告している。
リチャード・フィリップス(Richard Phillips)調教師、イアン・ポパム(Ian Popham)元騎手、ダニー・ヒスケット(Danny Hiskett)見習騎手は、エクセター大学のサラ・ポール(Sarah Paul)博士とマーティン・スティーヴンス(Martin Stevens)教授が実施したこの研究に協力した。
ポパム元騎手はこう語った。「さまざまな色の固定障害を飛越したことで、馬がいくつかの色に異なる反応を示し、それらの色の障害に対して一層の注意を払うのがはっきり分かりました。他の騎手も同じように感じたと思います。これは素晴らしいアイデアであり、馬と騎手の両方にとって競馬をより安全なものにするチャンスだと考えます」。
BHAの最高規制責任者であるブラント・ダンシー(Brant Dunshea)氏は10月10日午前のBBCラジオ4に出演し、この研究についてこう語った。「安全性は私たちにとって最優先事項であり、この研究は馬と騎手の安全性を高めるために行われました。この研究により、人間が見ているものは馬が見ているものと大変異なっているということを学びました。馬はさまざまな色に対して異なる反応を見せます。障害の色によって、馬が飛躍する距離や高さも違ってきます。たとえば、蛍光の白であれば、馬はより長い距離を高く飛越します」。
この研究は、実際のレースの環境にこの新しい色の組合せを取り入れる前に、調教場でも幅広く実験することを勧告している。
By David Baxter
[Racing Post 2018年10月10日「Yellow is the new orange: obstacles could be altered to aid equine vision」]