海外競馬ニュース 2018年02月08日 - No.5 - 2
仮想通貨ビットコインで2歳牡馬の売却取引を行う計画(アイルランド)[生産]

 ビットコインの価値は乱高下している。それにもかかわらず、ティナキルハウススタッド(Tinnakill House Stud)は、2歳牡馬の売却取引をこの仮想通貨で行う計画を進めていると述べた。現在のところ、取引はまだ成立していない。

 ティナキルハウススタッド(アイルランド・リーシュ州)はクリスマスシーズン中に、2歳のダラカニ牡駒を"4ビットコイン"で売却すると発表した。この馬は、重賞勝馬のブッシュマン(Bushman)とグランヴァン(Grand Vent)の半弟である。

 この発表は瞬く間に広まり、「いまだに古風な"ギニー"で取引が行われている生産界において革新的な動きである」と世界中の競馬メディアで話題となった。

 その頃、1ビットコインの価値は1万3,000ドル(約143万円)ほどだったが、その後9,700ドル(約107万円)、1万1,000ドル(約121万円)で推移した。1月初めには9,200ドル(約101万円)まで下落したが、この記事を書いている時点では1万500ドル(約116万円)に戻している(訳注:2月8日現在では約87万円)。

 ティナキルハウススタッドのジャック・キャンティロン(Jack Cantillon)氏はこう語った。「ビットコインの価値はつねに変動しており、この牡馬の価格は買い手がメールの返信を行うタイミングによって変わります。いずれにせよ、私たちのところにはリーシュ州で一番有名な未出走馬がいることは確かです」。

 「まだ購買を希望する人は出てきていませんが、最初のオファーどおり"4ビットコイン"でこの牡馬を売却するつもりです」。

 「ビットコインを支える技術である暗号通貨やブロックチェーンは、私たちの将来の一部となるでしょう。しかし、"ビットコインを所有する集団"と"馬を購買する集団"は共通していません。すぐに取引が成立するとは思いませんが、それでも実行したいと思っています」。

 ビットコインで売却されなかったりデジタル取引されない場合、キャンティロン氏にはもう1つの計画がある。

 同氏は、「買い手が見つからなければ、馬名は"ビットコイン"にしようと思います。誰もビットコインでこの馬を買わなかったしても、"ビットコイン"と名付けたら買ってくれるかもしれませんからね」と笑った。

By Martin Stevens

(1ドル=約110円)

[Racing Post 2018年1月24日「Plans to sell colt through Bitcoin going ahead despite drop in currency's value」]