海外競馬ニュース 2019年03月14日 - No.10 - 3
パディパワー・ベットフェア社、米国スポーツ賭事市場での利益拡大(アメリカ)[開催・運営]

 オンライン投票(ADW)を運営する競馬チャンネルTVG社を所有するパディパワー・ベットフェア社(Paddy Power Betfair 本社:アイルランド)は、解禁された米国のスポーツ賭事市場で好機を見いだしている。

 同社は3月6日、「弊社の2018年の税引前利益は2017年と比較して11%減少し、2億1,900万ポンド(約317億5,500万円)となりました。しかしスポーツ賭事に投資したことで、米国における収益(見込み)が18%増加しました」と報告している。

 パディパワー・ベットフェア社のCEOピーター・ジャクソン(Peter Jackson)氏はこの業績を、米国でさらに成長するための大きなチャンスであると見ている。

 同氏は2018年の財務報告において、「米国のオンラインスポーツ賭事市場の開放は賭事分野において、オンライン投票の登場以来最も大きな可能性を秘めています。私たちは構想を打ち出すよりも、この市場で絶好のチャンスをつかむために迅速に行動を起こしています」と語った。

 パディパワー・ベットフェア社は、ファンデュエル社(FanDuel デイリーファンタジースポーツサイト)を所有していることで、この新興市場への道が開かれると考えている。同社のスポーツ賭事客の半分が以前ファンデュエルの顧客であったと報告されている。

 ジャクソン氏はこう述べた。「私たちは新興市場において、確固とした地位につくことができると確信しています。ファンデュエルがスポーツブランドとして全米で認知されていること、800万人の顧客、弊社の賭事に関する専門知識、市場参入のために築いたパートナーシップがそれに寄与します。弊社がこれまで順調であることが、その見解を裏付けています。ファンデュエルはニュージャージー州でスポーツ賭事事業を始めてからわずか5ヵ月で同州のオンライン賭事市場の35%を獲得し、メドウランズ競馬場は今や人気のあるスポーツ賭事開催地となっています。新たな事業年度は期待通りに始まりました」。

 パディパワー・ベットフェア社は、その拡大しつつあるブランドに相応しいものとするため、 "フラッターエンターテインメント社(Flutter Entertainment)"に社名変更しようとしている。現在、株主から承認が得られるのを待っている。

 ジャクソン氏は、「新たな社名はグループの多様性を反映することになるでしょう。弊社は現在、6つのブランド、すなわちパディパワー社、ベットフェア社、スポーツベット社、ファンデュエル社、TVG社、アジャラベット社(Adjarabet)から構成されており、欧州・豪州・米国など世界中で事業を展開しています」と付言した。

 パディパワー・ベットフェア社は次のように報告している。「TVG社は商品強化により顧客を大きく増加させたことで、競馬賭事市場でのシェアを拡大しました。その商品強化には、ストリーミング配信のある新しいアプリや、"マネーバックスペシャルズ(Money Back Specials)"というプロモーションが含まれます」。

By Frank Angst

(1ポンド=約145円)

[bloodhorse.com 2019年3月7日「Paddy Power Betfair Bullish on U.S. Sports Wagering」]