アナプルナ(Anapurna)は英オークス(G1 芝約2400m)において、粘り強いパフォーマンスでピンクドッグウッド(Pink Dogwood エイダン・オブライエン厩舎)を下した。フランキー・デットーリ騎手にとっては英オークス5勝目となり、フランケルは種牡馬として初めて英クラシック勝馬を送り出した。
このレースはゆったりとしたペースで始まり、早い段階でシルベストル・デ・ソウサ騎手が騎乗するラベンダーズブルー(Lavender's Blue)が先頭に立った。坂を下りたときに先頭を奪ったピンクドッグウッドはライアン・ムーア騎手を背に馬群を引き離そうとしたが、アナプルナが迫ってきた。
単勝9倍のアナプルナは内側を力強くじわじわと追い上げ、ゴール直前でピンクドッグウッドに首差をつけて優勝した。同馬は、英ダービーに出走するテレキャスター(Telecaster)と同じメオンバレースタッド(Meon Valley Stud)の生産である。
ソウルスターリングが2017年優駿牝馬(G1 オークス)を制したことで、フランケルは日本でクラシック勝馬を出していたが、アナプルナが初めての英クラシック勝馬となった。
G1を制したフランケル産駒には、ドリームキャッスル(Dream Castle)、ウィズアウトパロール(Without Parole)、G1・4勝馬クラックスマン(Cracksman)などがいる。
デットーリ騎手はこう語った。「アナプルナはとても勇敢でした。坂をうまく走ることができました。素晴らしかったです。初めて英オークスを制したのは25年前であり、まだ現役を続けているのは信じられません!」
ゴスデン調教師はこう語った。「アナプルナとフランキーによる見事なパフォーマンスでした。彼女は先頭との差を縮めるために内側を走りましたが、あそこから抜け出すのは至難の業でした」。
「残り1ハロンでムーア騎手に交わされたと思いましたが、アナプルナはピンクドッグウッドを抜き返しました。両馬とも、また両騎手とも満点の競馬をしました」。
マーク・ウェインフェルド(Mark Weinfeld)氏はメオンバレースタッドの共同経営者であり、多くの優良牝馬を送り出してきた。その中にはG1馬のジージートップ(Zee Zee Top)、イジートップ(Izzi Top)、スピーディボーディング(Speedy Boarding)などがいる。今回のアナプルナ(母 ダッシュトゥザトップ)の勝利は彼らにとってエプソム競馬場でのG1・20勝目となった。
ウェインフェルド氏はこう語った。「アナプルナはとてもたくましく素晴らしい走りぶりを見せました。私たちはクラシック競走を勝つことを夢見てきたので、この牝馬がその夢を叶えてくれてとても喜んでいます。テレキャスターでダービーを勝ちたいと思うのは望み過ぎかもしれません」。
パディパワー社は凱旋門賞(G1)でのアナプルナの単勝オッズを、これまでの67倍から21倍に大きく引き下げた。
By Tom Collins
[Racing Post 2019年5月31日「Anapurna a first British Classic winner for Frankel after thrilling Oaks」]