競馬運営会社のフメレラ社(Phumelela)は、フラミンゴパーク競馬場は12月に閉場予定であると発表した。年末までに南アフリカの競馬場はわずか7場となる。
かつて南アフリカには90を超えるレーシングクラブがあり、各クラブが競馬場を所有していた。しかし、この6年間でアーリントン競馬場(ポートエリザベス)、クレアウッド競馬場(ダーバン)に続きキンバリー競馬場(キンバリー)が閉場している。また、今世紀に入ってゴスフォースパーク競馬場、ニューマーケット競馬場、ブルームフォンテイン競馬場、ミルナートン競馬場が姿を消している。
以前プランプトン競馬場(英国)のCEOを務めていたパトリック・デイヴィス(Patrick Davis)氏は、今年前半にウェザビーズ社を退職し、以前勤務していたフメレラ社に競走担当理事として戻ってきた。
同氏はこう語った。「閉場は単に商業的要因によるものです。財務分析では、フラミンゴパーク競馬場は年間2,350万ランド(約1億6,450万円)の損失を出し、TAB(ベッティングショップ)での馬券売上げが約300万ランド(約2,100万円)でどのローカル開催よりも下回っていることが分かりました」。
「フラミンゴパーク競馬場は、開催日のために他の地域から有給裁決委員や決勝審判委員などを連れて来なければならない非効率な競馬場の1つです。そのため、12月9日(月)の開催をもって閉場する予定です。競馬場自体も調教施設も閉鎖されます」。
同競馬場は砂コースでレースを施行し、格下馬を受け入れてきた。ここで施行されていた年間36開催日のうち20開催日はヴァール競馬場(ヨハネスブルグ)あるいはフェアビュー競馬場(ポートエリザベス)に移されるが、残りの16開催日は消滅することになる。
フラミンゴパーク競馬場を拠点とするクリフ・ミラー(Cliff Miller)調教師は、スポーティングポスト紙(競馬新聞)に宛てたメールにおいて、閉場の決定についてこう抗議している。「43年間、ここですべてを捧げてきました。土地や建物を所有する調教師もおり、ただ荷物をまとめて出て行くわけにはいきません。全ての馬を移動させられません」。
フメレラ社は南アフリカに残されることになる7場のうち5場の競馬場を運営している。あとの2場、グレイヴィル競馬場とスコッツヴィル競馬場はいずれもダーバンにあり、ゴールドサークル社(Gold Circle)によって運営されている。
いずれの運営会社も、馬券売上げ減少により窮地に立たされている。これは低迷する南アフリカ経済がもたらしている結果だと考えられている。両社は年間4~6%のインフレ率に見合う賞金額を維持するという勝ち目のない戦いをしている。
By Michael Clower
(1ランド=約7円)
[Racing Post 2019年9月1日「Flamingo Park to close in December amid ongoing financial pressures」]