13頭目の米国三冠馬ジャスティファイ(Justify) は圧倒的な得票数で、エクリプス賞の年度代表馬と最優秀3歳牡馬に選出された。しかし、同馬の関係者にはその威光は及ばなかった。
2018年エクリプス賞授賞式(1月24日 ガルフストリームパーク競馬場)において、ジャスティファイは3歳牡馬部門で249票を獲得し、今回唯一の満場一致の受賞馬となった。2016年エクリプス賞では、クラシックエンパイア(Classic Empire)が最優秀2歳牡馬、ソングバード(Songbird)が最優秀3歳牝馬、カリフォルニアクローム(California Chrome)が最優秀ダート牡馬に満場一致で選ばれたが、2017年エクリプス賞ではそのような馬はいなかった。
今年の授賞式では多くの議論がなされたが、ジャスティファイは年度代表馬部門においても、BCクラシック(G1)優勝馬アクセラレイト(Accelerate)を191対54で下し、あっさりと選出された。
ジャスティファイが圧倒的な票数を集めた一方で、同馬の関係者(馬主:ウィンスターファーム、チャイナホースクラブ、スターライトレーシング、ヘッドオブプレーンズパートナーズ、調教師:ボブ・バファート氏、騎手:マイク・スミス氏)は、最終候補者という地位に甘んじなければならなかった。
馬主部門では、アクセラレイトの馬主フロニスレーシング(Hronis Racing)が第2位のピーター・ブラント(Peter Brant)氏に141対27と大差をつけて選出され、ジャスティファイの馬主たちは25票を獲得して第3位となった。また、調教師部門ではチャド・ブラウン(Chad Brown)調教師がボブ・バファート(Bob Baffert)調教師を137対94で破り、騎手部門ではイラッド・オルティス(Irad Ortiz Jr.)騎手がマイク・スミス騎手を173対40の大差で破った。
しかしジャスティファイの生産者は、投票者に支持された。ジョン・ガンサー(John Gunther)氏が第2位のウィンスターファーム(WinStar Farm)を102対68で破り、最優秀生産者の座を手に入れたのだ。
ジャスティファイの次に圧倒的な得票数で選出されたのは、最優秀2歳牡馬のゲームウィナー(Game Winner)と最優秀3歳牝馬のモノモイガール(Monomoy Girl)で、ともに249票中247票を獲得した。また、古馬部門ではアクセラレイトが245票もの得票数で最優秀ダート牡馬に選ばれた。
接戦となったのは最優秀ターフ牝馬部門である。それでもBCフィリー&メアターフ(芝G1)優勝馬シスターチャーリー(Sistercharlie)が達成した北米G1・4勝という快挙は、凱旋門賞(G1)優勝から4週間も経たずしてBCターフ(G1)を制したエネイブルを上回る支持を得るのに十分だった。2頭の得票数は130対119だった。
エクリプス賞は、全米競馬記者協会(National Turf Writers And Broadcasters Association)、NTRA(全米サラブレッド競馬協会)、デイリーレーシングフォーム紙のメンバーの投票により、北米競馬界の各部門の最優秀馬を決定する。今年は投票資格者271人のうち249人が参加した。
2018年エクリプス賞受賞馬/受賞者
年度代表馬:ジャスティファイ
最優秀ダート牡馬:アクセラレイト
最優秀ダート牝馬:ユニークベラ(Unique Bella)
最優秀3歳牡馬:ジャスティファイ
最優秀3歳牝馬:モノモイガール
最優秀2歳牡馬:ゲームウィナー
最優秀2歳牝馬:ジェイウォーク(Jay Walk)
最優秀芝牡馬:ストーミーリベラル(Stormy Liberal)
最優秀芝牝馬:シスターチャーリー
最優秀短距離牡馬:ロイエイチ(Roy H)
最優秀短距離牝馬:シャムロックローズ(Shamrock Rose)
最優秀障害馬:ザンジャビール(Zanjabeel)
最優秀馬主:フロニスレーシング
最優秀調教師:チャド・ブラウン氏
最優秀騎手:イラッド・オルティス氏
最優秀見習騎手:ウェストン・ハミルトン氏(Weston Hamilton)
最優秀生産者:ジョン・ガンサー氏
By Frank Angst
[bloodhorse.com 2019年1月25日「A Look at the 2018 Eclipse Awards Voting」]