カリフォルニアクローム・シンジケート(California Chrome Syndicate)は株式会社ジェイエスに日本政府の検疫・輸入条件が満たされればカリフォルニアクローム(California Chrome 8歳)を売却するという契約を交わしたと、テイラーメイドスタリオンズ(Taylor Made Stallions 以下テイラーメイド)は11月20日に発表した。
米国年度代表馬に2度輝いたカリフォルニアクローム(父ラッキープルピット)は、北海道のアロースタッドで供用される予定。同スタッドでは、2012年米国最優秀2歳牡馬のシャンハイボビー(Shanghai Bobby)やベルモントS(G1)3着のラニも供用されている。
契約の一環として、カリフォルニアクローム・シンジケートは同馬が売却されてからの優先先買権を持つ。それゆえ同馬は種牡馬を引退した場合、テイラーメイドで余生を過ごせる。馬主のペリー&デニス・マーティン(Perry and Denise Martin)両氏はカリフォルニアクロームが日本で種牡馬生活を始めてからも関与し続ける。
テイラーメイドの会長兼CEOのダンカン・テイラー(Duncan Taylor)氏は語った。「9月と11月のセリの間に購買者がアプローチを掛けてきました。カリフォルニアクロームは50口のシンジケートで所有されているので、メンバーに意見を聞いたところ、彼らは決断を下しました。私たちはこの馬を愛しているので、心情的に難しいことでした。彼は夢にも考えたこともない場所に、私たちを連れて行ってくれました」。
テイラー氏はこう続けた。「しかし長期的に見れば、牧場をビジネスとして運営しなければなりません。私たちは多くの世帯の生計を立てさせなければならず、ホースビジネスでしか収入を得られません。世話してくれる素晴らしい牧場でカリフォルニアクロームが供用され、3ヵ国で種牡馬としてチャンスを得られるのは良いことです。彼が第2のサンデーサイレンスとなることを望んでいます」。
エーピーインディーのサイアーライン(牡系)から輩出した中で最も成功した馬であるカリフォルニアクロームは、テイラーメイドにおける最初の3年間の種牡馬生活で473頭の繁殖牝馬に種付けした。今年のセリで販売された1歳の初年度産駒の最高価格は32万5,000ドル(約3,575万円)だった。2017年と2018年には南半球のスマヤスタッド(Sumaya Stud チリ)でも供用された。
テイラー氏はカリフォルニアクロームの検疫日程は、日本から検疫施設にスペースができたとの通知があれば決定すると語った。そして、12月第1週にテイラーメイドで30日間の検疫に入るのではないかと予想した。
カリフォルニアクロームには多くのファンがおり、2016年に種牡馬入りして以来2万人もの人々が同馬を見るために牧場を訪れた。テイラー氏は同馬が日本に発つ前に牧場を一般公開することを考えている。
カリフォルニアクロームは、2014年と2016年に米国年度代表馬に選ばれ、競馬史上最高賞金を獲得したケンタッキーダービー馬となった。ケンタッキーダービー(G1)、プリークネスS(G1)、パシフィッククラシックS(G1)、ドバイワールドカップ(G1)、サンタアニタダービー(G1)、オーサムアゲインS(G1)、ハリウッドダービー(芝G1)を制し、G1・7勝を果たしている。生涯獲得賞金は1,475万2,650ドル(約16億2,279万円)。
By Blood-Horse Staff
(1ドル=約110円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2017年No.13「カリフォルニアクローム、チリにシャトル予定(アメリカ)」
[bloodhorse.com 2019年11月20日「Agreement in Place to Sell California Chrome to Japan」]