11月25日に豪州・香港間の馬の検疫規制の緩和が認められたことを受けて、ビューティージェネレーション(Beauty Generation)やエセロ(Aethero)のような香港のスター馬は将来、豪州のレースに出走できるようになる。
2017年10月、豪州政府は香港ジョッキークラブ(HKJC)が従化競馬場に設けた馬疾病清浄地域(equine disease-free zone)のバイオセキュリティ(防疫措置)に関する規制について懸念を表明し、香港から豪州への馬の直接輸入を禁止した。
今年3月、豪州と香港の双方のレースに遠征する馬への検疫のあり方について協議が行われて、暫定措置が合意された。それをうけ、4月に香港に遠征した豪州調教馬のサンタアナレーン(Santa Ana Lane)とビドラ(Viddora)には特例が与えられ、豪州に再入国する際に第三国を経由することと180日間の検疫期間が免除された[訳注:サンタアナレーンとビドラはチェアマンズスプリントプライズ(G1 4月28日 シャティン)に出走しそれぞれ4着、8着となった]。ただし、従化競馬場に在厩した馬については依然として180日間の検疫期間が必要とされた。
そして10月に豪州農業省は従化競馬場を視察し、11月25日に同競馬場が豪州・香港間の馬輸送プロトコルを徹底的に修正して基準を満たしていることを確認した。
これにより、香港にいた馬は豪州に直接移動することができ、検疫期間は英国・アイルランド・フランスのような欧州諸国と同様の2週間となる。
HKJCの競走担当専務理事であるアンドリュー・ハーディング(Andrew Harding)氏はサウスチャイナモーニングポスト紙に対してこう語った。「3月に仮協定が締結されたことと、10月の豪州農業省職員の従化競馬場の視察をうけて豪州・香港間の馬移動の完全な再開が認められたことを、私たちは歓迎します」。
「これは、従化競馬場の馬疾病清浄地域におけるバイオセキュリティの頑健性と競走馬の良好な健康状態をさらに保証するものです」。
「中国の農業農村部、海関総署、漁農自然護理署、そして豪州農業省がこの結果をもたらすために献身的に取り組んでくれたことに感謝しています。また、豪州の競馬産業からの強い支持がありました」。
検疫規制により、2019年メルボルンカップ・スプリングカーニバルに遠征する可能性のあったサザンレジェンド(Southern Legend キャスパー・ファウンズ厩舎)などの香港調教馬は、豪州遠征を断念していた。
優秀なスプリンターであるエセロ(ジョン・ムーア厩舎)は、来年のジ・エベレスト(ランドウィック)に出走する可能性があり、人々の関心を集めている。
By Racing.com
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[Racing Post 2019年11月25日
「Quarantine dispute between Australia and Hong Kong resolved after two years」]