海外競馬ニュース 2020年09月10日 - No.35 - 3
ケンタッキーダービー騎乗の5人の名手、落馬事故に遭った仲間を支援(アメリカ)[その他]

 殿堂入りジョッキーであるハビエル・カステリャーノ、マイク・スミス、ジョン・ベラスケス、そして期待の若手であるマヌエル・フランコ(Manuel Franco)、タイラー・ガファリオン(Tyler Gaffalione)は一致団結した。8月22日にロスアラミトス競馬場で悲惨な落馬事故に遭ったヴィニー・ベドナー(Vinnie Bednar)騎手(28歳)の治療費を支援するために、ケンタッキーオークス&ダービーの開催日(9月4日&5日)の獲得賞金の1%を寄付することを誓ったのだ。

 ベドナー騎手は南カリフォルニア医大病院(USC Medical Center ロサンゼルス)で最初の手術を受けた。下肢の麻痺を患っているが、家族はそれが一時的なものであることを望んでいる。同騎手は今後、脊髄・脳損傷治療の世界的な権威であるクレイグ病院(Craig Hospital コロラド州エングルウッド)へ転院する予定。落馬事故は、300ヤード(約274m)のクオーターホース競走のゴールまで残り100ヤード(約91m)地点で、騎乗馬ピークイットアップ(Peek It Up)が故障を発症した際に起きた。

  ベドナー騎手の母親カレン・ベドナー(Karen Bednar)氏はこう語った。「"米国のトップクラスの騎手たちが手を差し伸べ、あなたを助けたがっている"と言うと、ヴィニーは感極まっていました。名手たちがチャーチルダウンズでビッグレースに臨もうとしているときに、まさか自分のことを考えてくれているとは思わなかったのです」。

 「私たち家族は、信じられないほど寛大な支援を受けていて、ヴィニーはとても勇気づけられています。彼はこの注目と好意に甘え、世間に知られることなく助けを必要としている他の麻痺を負った騎手たちを支援したいと考えています」。

 北米獲得賞金ランキングで歴代3位のカステリャーノ騎手はケンタッキーダービーで、エクリプス賞7回受賞のトッド・プレッチャー調教師が管理するマネームーヴズ(Money Moves)に騎乗する。

 フランコ騎手は断トツの1番人気のティズザロー(Tiz the Law バークレー・タグ厩舎)に騎乗する。同馬はベルモントS(G1)とトラヴァーズS(G1)を制している。

 今年の北米騎手ランキング(獲得賞金)で3位のガファリオン騎手は、殿堂入りトレーナーのビル・モット調教師が管理するサウスベンド(South Bend)に騎乗する。

 2018年にジャスティファイで三冠を達成したマイク・スミス騎手は、オナーエーピー(Honor A.P. ジョン・シレフス厩舎)に騎乗する。同馬は予想オッズで2番人気である。

 ベラスケス騎手は、三冠を2回達成したボブ・バファート調教師が手掛ける3番人気馬オーセンティック(Authentic)に騎乗する。

 北米の歴代最高賞金獲得ジョッキーのベラスケス騎手は、「私たちの誰にでも起こりうることです。ヴィニーが負った怪我は、治療とリハビリのために多額の経済的支援が必要となります。私たちはヴィニーとその家族を思って祈りながら騎乗するでしょう」と語った。

 スミス騎手はこれに同意し、「ヴィニーのことはよく知っています。優れた若手騎手である前に人間として素晴らしい青年です。彼は温かい家族に支えられています。私たちは彼がこの難局を乗り越えられるように手伝います」と語った。

 ヴィニー・ベドナー騎手は以前、モトクロスのライダーだった。2011年にサラブレッドとクオーターホースのレースで騎乗を始め、騎手として成功を収めていた。最終騎乗時には、ロスアラミトス競馬場のジョッキーランキングで2位となっていた。12月半ばから現在にかけて、クオーターホースの以下の主要ステークス競走で優勝している。

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 今年のベドナー騎手のクオーターホース競走での通算成績は201戦41勝。獲得賞金は63万5,959ドル(約6,678万円)で米国23位。サラブレッド競走での通算成績は94戦18勝。

 ベドナー家の友人たちは引き続き治療費の支援を募るために、募金サイト「GoFundMe」のページを立ち上げた。

https://www.gofundme.com/f/love-and-support-for-jockey-vinnie-bednar

By Kelly Summers Press Release

(1ドル=約105円)

[bloodhorse.com 2020年9月5日「Five Derby Jockeys Pledge Earnings to Injured Bednar」]