香港は2021-22年シーズンの賞金増加を発表した。これにより、香港が芝G1競走(1200m・1400m・1600m・2000m)の部門において世界最高賞金レースを施行することが明らかになった。
地元馬主に報酬をもたらすため、そして香港のビッグレースを海外の競馬参加者にとって魅力的なものにするために、香港は賞金を引き上げた。
香港の2021-22年シーズンの競馬開催日程は、過去最高の総額14億6,000万香港ドル(約204億4,000万円)を提供する。また香港国際競走で開催されるG1・4競走は、新たな最高記録となる総額1億香港ドル(約14億円)を提供する。
総賞金3,000万香港ドル(約4億2,000万円)の香港カップ(G1)は今や世界最高賞金の芝2000mのG1競走となる。芝1600mの香港マイル(G1)と芝1200mの香港スプリント(G1)はすでにそれぞれの部門の世界最高賞金レースとなっており、芝1400mのクイーンズシルバージュビリーカップ(G1)も同様である。
さらにG2競走の総賞金は25万香港ドル(約350万円)、G3競走の総賞金は20万香港ドル(約280万円)増額された。クラス1~5の競走の総賞金も4%~9%引き上げられる。
香港ジョッキークラブ(HKJC)の競走担当専務理事であるアンドリュー・ハーディング氏は、賞金を引上げることへの熱意についてこう説明する。
「香港の世界クラスの競馬の鍵となるのは、HKJCの賞金への多額投資です。新型コロナウイルスの感染拡大や世界経済の不安定さにもかかわらず、私たちは賞金レベルを大幅に引き上げるという戦略の続行に献身的に取り組んでいます。それは馬主に報酬を与えること、そして香港のビッグレースが海外の競馬参加者にとって魅力的なものにすることを目標としています」。
「このようなアプローチは、良質の競馬を提供する世界的リーダーとしての地位を香港が維持するための中核的な要素です。これにより過去8年間、ロンジンワールドベストレースホースランキングにおいて毎年17頭~26頭の香港調教馬が選ばれてきました。
「HKJCは来シーズン、賞金総額を過去最高に引き上げます。これが競争を強化するのに寄与し、厳しい経済状況の中でできるだけ最高の馬を購買して輸入しようとする馬主を支援する一助となると信じています」。
香港馬主協会(Hong Kong Racehorse Owners Association)のマシュー・ラム会長は、このニュースを歓迎してこう述べている。「ほぼすべてのレースの賞金がさらに引き上げられるのは素晴らしいことです。これにより香港の馬主たちに、一流馬を輸入して香港の世界クラスの競馬の水準を支え続けるための良い動機が与えられます」。
By David Carr
(1香港ドル=約14円)
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[Racing Post 2021年7月16日「Prize-money increase makes Hong Kong home to world's richest Group 1s」]