スリーチムニーズファームの2017年米国年度代表馬ガンランナーは2021年、世界における2歳リーディングサイアー、初年度リーディングサイアーに輝き、超優良種牡馬アンクルモーが2015年に築いたファーストクロップ（初年度産駒）の獲得賞金記録を更新した。この快挙の重大さを大局的に見るには、アンクルモーが抜いたのが伝説の種牡馬タピットが2008年に打ち立てた記録だったということを考えればよい。

　これまでのファーストクロップの獲得賞金記録は、本誌（ブラッドホース誌）では367万354ドル（約4億2,209万円）、サラブレッドデイリーニュースでは317万7,490ドル（約4億2,751万円）とされていた。しかし11月28日にチャーチルダウンズ競馬場の第1レースでショットガンホッティ（トム・エイモス厩舎）が勝利してガンランナーのファーストクロップの獲得賞金は380万ドル（約4億3,700万円）以上となり、この記録を超えた。ショットガンホッティはガンランナーにとって22頭目の勝馬である。ガンランナーはBCジュベナイルフィリーズ（G1）を制した無敗のエコーズルーなどG1馬2頭を送り出して、アンクルモーと同じようにしてこの画期的な記録を打ち立てた。しかし、アンクルモーよりも出走産駒が少なく、1頭多い重賞勝馬を送り出した点で、2頭の記録は異なる。

　スリーチムニーズファームのオーナーであるゴンサロ・トレアルバ（Gonçalo Torrealba）氏はこう語った。「ガンランナーの種牡馬としての記録的な滑り出しは、スリーチムニーズとその哲学の最高の成果です。アンクルモーが樹立した記録とその前のタピットの記録を超えたことで、現在最も影響力のあるこれら2頭の種牡馬と比べてガンランナーは種牡馬生活のこの時点で明らかに優位に立っています。ガンランナーはファーストクロップの獲得賞金記録を更新しただけでなく、米国のすべて種牡馬の中で、出走馬頭数に対するステークス勝馬率でもトップになっており非常に驚くべきことです。スリーチムニーズのチームは全員、優秀な繁殖牝馬を送ってガンランナーをサポートし続けてくれる生産者たちに感謝しています。とりわけパートナーのロン・ウィンチェル氏にお礼を言いたいと思います。本当に素晴らしい人なのです。最高の繁殖牝馬を送り込んでくれ、その仔をレースに出走させるという彼の継続的な取り組みに感謝しています。それに、スティーヴ・アスムッセン調教師は年度代表馬のガンランナーとその産駒を通じてレガシーを築き上げています。ありがとう、スティーヴ」。

　エコーズルーは4戦4勝を挙げており、現在まででガンランナー産駒の中で最多の148万ドル（約1億7,020万円）の賞金を獲得している。勝鞍にはフリゼットS（G1）やスピナウェイS（G1）での勝利が含まれる。ほかに重賞を制したガンランナー産駒には、ホープフル（G1）優勝馬グナイト（Gunite）、アディロンダック（G2）優勝馬ウィキッドヘイロー、ベストパル（G2）優勝馬でBCジュべナイル（G1）で2着となったパッパキャップ（Pappacap）などがいる。また、ガンランナーはキップデヴィルS優勝馬コンセプト（Concept）や11月23日のジアパークプリンセスS優勝馬オプショナリティ（Optionality）などを送り出している。

By Blood-Horse Staff

（1ドル＝約115円）