11月と12月にプエルトリコ競馬委員会から寄付金約6万5,000ドル(約748万円)と大きな援助を得て、カリビアン・サラブレッド・アフターケア(Caribbean Thoroughbred Aftercare: CTA)は閉鎖を免れた。CTAの財源は昨年、低価格の競走馬がこの島にこれまでないほど殺到したことでほぼ枯渇していた。
カマレロ競馬場の引退競走馬のために新たな受入れ先を見つけるCTAは通常、年間40頭を扱っている。しかし2021年には、高額賞金と、馬券売上げに連動した破格のボーナス奨励金が輸入馬の殺到を引き起こしたため73頭を受け入れた。その大半は低価格のクレーミング出走馬であり、すでに競走キャリアの終盤を迎えていた。
CTAの共同創設者であるケリー・ストビー氏によれば、昨年上半期のCTAの経費は約20万8,000ドル(約2,392万円)に上ったが、寄付金は合計16万3,000ドル(約1,875万円)だったという。9月までに毎月1万~1万2,000ドル(約115万~138万円)の赤字を出しながら運営されるようになり、準備金を食いつぶしていた。同氏は9月の時点で、2022年初めにCTAを閉鎖しなければならないことが現実に起こりうると述べていた
「12月はとても順調だったので、運営を継続しています」とストビー氏は語った。
12月の思いがけない寄付金の大半を占めるのは、2ヵ所からのそれぞれ2万5,000ドル(約288万円)の寄付である。1つ目の寄付はカマレロ競馬場によるもので、カリブ馬術連盟のメンバーにとって最も重要な2日間の競馬開催、クラシコインテルナシオナルデルカリベ(12月4日・5日)で小切手が贈呈された。2つ目の寄付は11月下旬にCTAの任務を支持する数人の住宅所有者が主催したガラパーティー(会場:リオグランデのバイアビーチリゾート)で行われた。
CTAはまた、プエルトリコ賭事委員会から連邦政府の会計年度末である6月までに5万ドル(約575万円)を寄付するという約束も取りつけた。
ストビー氏はこう語った。「毎月7,000ドル(約81万円)の計算になります。請求書と領収書を送れば、毎月その額が払い戻されます。月7,000ドルは大きいです。乾草・飼料・アルファルファ・ウッドシェーブ(おがくず)・獣医療用品などすべてをまかなえます」。
ストビー氏はゲーミング委員会が来年度も5万ドル(約575万円)の手当を再承認してくれることを期待していると述べたが、その手当は6ヵ月ではなく12ヵ月にわたって支給されることになる。また、彼女はプエルトリコの2つの馬主グループとも定期的な支援を提供することについて話し合いを続けている。
実際のところ、米国やガルフストリームパーク競馬場の馬主から支援を受けられるという良い話もあった。
「7頭を検疫を受けさせましたが、ガルフストリーム競馬場がそのうち2頭のために寄付してくれました。2頭はそこで頻繁に出走していたのです。競馬場と馬主が検疫と空輸の費用を負担してくれました」とストビー氏は語った。
CTAは輸入馬の流入が落ち着いたので一息ついている。米国からプエルトリコに馬を輸送するのに、ジャクソンビル港から出る貨物船の利用をやめた馬主もいる。なぜなら競馬場オーナーやホースマンのあいだで、貨物船で輸送される馬に強いられる非人道的な状態について批判が高まっているからだ。またストビー氏によると、定期輸送に使っていた数機の貨物飛行機が修理のために待機させられており、ようやく最近運航を再開することになったのだという。
「CTAはプエルトリコで引退した競走馬のために、マイケル・ブローウェン氏の引退馬施設オールドフレンズ(ケンタッキー州ジョージタウン)のような聖域を作りたいと考えています。そしてセントトーマス島にもアフターケアの分場を設置して拡大させたいと思っています」。
「プエルトリコでアフターケアを必要とし、私たちが助けようとしている数千頭もの競走馬のために、もっとやるべきことがあるのです」。
By Eric Mitchell
(1ドル=約115円)
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[bloodhorse.com 2022年1月10日「December Donations Save Puerto Rico's Aftercare Program」]