大人気のF1ドキュメンタリーシリーズ『Formula 1: 栄光のグランプリ(Drive To Survive)』の競馬バージョンを制作するプロジェクトが進行しており、欧州の2つの厩舎で数日にわたって撮影が行われた。
Netflixはこのプロジェクトにまだゴーサインを出していない。しかし本紙(レーシングポスト紙)は、アイルランドのジョセフ・オブライエン厩舎とフランスのフランシス-アンリ・グラファール厩舎で撮影が行われたことを把握している。
またこのプロジェクトが制作段階に入っており、英国の2厩舎と米国の3厩舎でも同様の撮影が進められることも把握している。
11月にブリーダーズカップ開催(デルマー競馬場)で会合が開かれ、『Formula 1: 栄光のグランプリ』に匹敵する競馬ドキュメンタリーを制作する見通しが立っていた。なお、このF1ドキュメンタリーはNetflixがボックス・トゥ・ボックス・フィルムズに依頼し制作された。
ロサンゼルスのNetflixのチームメンバーおよびボックス・トゥ・ボックス・フィルムズとスカイスポーツレーシングの幹部たちは、米国と欧州から来ていた競馬場役員・馬主・調教師・競馬統括者に会い、このプロジェクトについて話した。
スカイスポーツレーシングは本紙の取材に対し、最新情報についてコメントすることを控えた。
Netflixのオリジナルシリーズである『Formula 1: 栄光のグランプリ』は、F1世界選手権を構成する人物やレースの舞台裏の実態を紹介し、特に米国でのF1人気の大きな後押しになったと高く評価されている。
このシリーズは、これまで最も多くストリーミングされた番組の1つであると言われている。伝えられているところによれば、2020年には英国のNetflix加入者の約10%が視聴したという。またESPNによれば、米国ではこのシリーズが公開されて以来F1のテレビ視聴者が急増し、2018年に約54万7,000人だった1レースあたりの平均視聴者数が2021年には約92万8,000人となったという。
これに相当する競馬ドキュメンタリーは、競馬界に同じようなポジティブな影響をもたらしてくれるだろうと期待されている。
競馬ドキュメンタリーを制作しようとするプロジェクトはこれだけではない。最近フランキー・デットーリ騎手のドキュメンタリーを制作したトロンボーン・プロダクションズや元騎手のネイサン・ホロックス氏のエクワイン・プロダクションズも同様のシリーズを制作する計画を検討しているようだ。
ゴルフに関連する同様のNetflixシリーズも制作中であり、PGAツアーと4大メジャー選手権の主催者が参加する。またテニスのシリーズも制作が計画されており、ATPツアー、WTAツアー、グランドスラム(4大大会)と提携する予定である。
By Bill Barber