海外競馬ニュース 2022年10月06日 - No.37 - 4
フランスギャロ、スミヨン騎手の"肘打ち事件"でルール改正を検討(フランス)[開催・運営]

 フランスギャロ(France Galop)は、クリストフ・スミヨン騎手の凱旋門賞ウィークエンドへの参加を快く思っていないことを認めた。激しい非難の矢面に立つスミヨン騎手は、60日間の騎乗停止処分を受けることになった9月30日(金)の事件についてこれ以上話すことはないと主張している。

 スミヨン騎手はサンクルー競馬場でレース中にロッサ・ライアン騎手に肘打ちを食らわせ落馬させたことから、集中砲火を浴びている。

 フランスギャロは、今後騎乗停止処分を即刻適用できるようにルールを見直すことを約束した。しかし、このリーディングに10回輝いた騎手のロンシャンでの騎乗を阻止する力はなかった。スミヨン騎手は10月1日(土)にロンシャンのダニエルウィルデンシュタイン賞(G2)をエレヴァンで制している。

 スミヨン騎手は凱旋門賞ウィークエンドの第1レースで、デュークドセッサ(ダーモット・ウェルド厩舎)に騎乗して3着に入線した。その後、ライアン騎手が無傷で済んだ9月30日(金)の"肘付き事件"について質問を受け、記者たちに「これ以上話すことはありません。言うべきことは言いましたから」と語った。なお、騎乗停止期間は10月14日(金)に始まる。

 スミヨン騎手の行動のひどさから、2日(日)のフォレ賞(G1)に出走するマラヴァス(Malavath)のオーナーたちは"彼を騎乗させたくない"と漏らしたが、フランスの施行規程では騎乗が許可されている騎手を乗り替わりにはできないのだ。

 しかし10月1日(土)、フランスギャロもスミヨン騎手がロンシャンで騎乗することを快く思っていないことが明らかになった。2日(日)には同騎手は凱旋門賞(G1)で有力馬ヴァデニに騎乗することになっている。

 フランスギャロのCEOオリヴィエ・ドロワ氏はこう語った。「金曜日に起こったことについて快く思っておりません。競馬について悪い評判が立つでしょう。しかし、現行ルールに則って行動するしかないのです。たとえ金曜日のようにひどい事態が発生しても、一夜にして新しいルールを作成することはできません。ルールをそのまま適用し、どのように改正すれば良いのかを考えなければなりません」。

 「ルールに則った形で騎乗停止期間を即刻開始できるような方法を検討する必要があります。それこそ私たちは今回望んでいたことです。しかしルールが許容しないかぎりは実行できないのです。今回の件でおそらくルールを変更することになるでしょう」。

 ドロワ氏はこう付け加えた。「金曜日に起こったことを考えると、あのような違反行為に対する騎乗停止期間はすぐに開始されるべきだと思います。しかし存在しないルールを適用することはできないのです。今後施行規程を改定して、即刻に処分の期間を開始できるような柔軟性を持たせなければなりません」。


By Lee Mottershead

[Racing Post 2022年10月2日「France Galop will pursue change to rules following Soumillon elbow incident」]