海外競馬ニュース 2022年12月15日 - No.47 - 4
気温マイナス10.5度の寒さと闘うニューマーケットの調教場(イギリス)[その他]

 ニューマーケットは12月12日(月)に気温がマイナス10.5度まで下がり、近年では最も寒い夜となった。ジョッキークラブ・エステーツ社(JCE)はこの困難に真っ向から対応し、地元の厩舎関係者から高く評価されている。

 サイモン・ピアース調教師は最近出走した管理馬5頭のうち4頭が勝利を収め好調をキープしている。13日(火)の朝は8時になっても気温がまだマイナス4度で、多くの厩舎関係者とともに寒さと闘っていた。

 ウォーレンヒルのふもとにあるロートンハウスステーブルを調教拠点とするピアース調教師はこう語った。「調教場使用料を支払うのはジムの会員になるようなものです。最初は高いと思いますが、こういう状況になると元が取れていることが分かります」。

 「朝5時に馬に飼葉をやりに行くと、そのときからすでにスタッフがトラクターに乗って2本のポリトラック走路にハロー掛けを行っていました。この寒さで作業を中断すれば路面が台無しになってしまうので正しい判断です」。

 ピアース調教師は先週、チェルムスフォードとサウスウェルにおいて連続で2勝を挙げており、14日(水)夜にケンプトンで出走させるフルインテンションで連勝を伸ばしたいと考えている。

 ピアース調教師はこう語った。「フルインテンションは通常どおりの調教を積むことができました。厩舎のほかの馬は砂がまかれた常歩用の馬場だけでなく、サイドヒルのポリトラック走路も使うことができました」。

 「5年ほどこんなに寒いことはなく、去年の冬は霜が降りたのをほとんど覚えていないくらいですが、ジョッキークラブはよくやってくれています」。

 ジョッキークラブ・エステーツ社(JCE)の社長であるニック・パットン氏はこの困難な状況についてこう語った。「昨夜、サウスフィールズファームでは気温がマイナス10.5度まで下がりました。今年一番の冷え込みになりました」。

 「オールウェザーの走路はすべて使用できますが、アルバハスリのポリトラック走路はもう少し調整が必要です。この気温になると、凍結防止用の塩さえも凍ってしまいます。しかしスタッフは本当に素晴らしい仕事していて、朝4時半から取り掛かってくれているのです」。

 もう1つ良い点は、12月はニューマーケットの調教場が混雑する時期ではないということである。一部の馬には代わりとなるメニューをこなさせることができる。

 チャーリー・フェローズ調教師もウォーレンヒルを利用する調教師の1人だが、そこで走らせるのは第2団の管理馬だけである。

 「私たちのところには屋根付き調教走路があるので、第1団の管理馬にただ速歩をさせるためにそこを使っています。しかし週末には多くの管理馬がレースに出走するので、第2団を外で調教しなければなりません」。

 「ウォーレンヒースのスタッフはこの気温の中でオールウェザー走路にハロー掛けを行うために素晴らしい仕事をしてくれています。とても感謝しています」。

 13日(火)の朝にはほかに、ウィリアム・ハガス調教師、デヴィッド・シムコック調教師、ロジャー・ヴェリアン調教師、レイ・ゲスト調教師、ジェームズ・ファーガソン調教師、アリス・ヘインズ調教師、トム・クローバー調教師、リチャード・スペンサー調教師、サー・マーク・プレスコット調教師などがウォーレヒルを利用していた。

By David Milnes

[Racing Post 2022年12月13日「The guys have done an amazing job' - Newmarket suffers coldest night in years」]