日本馬として初めてブリーダーズカップ競走を制した馬は今や、日本馬として初めてエクリプス賞を受賞することになった。
BCフィリー&メアターフ(芝G1 デルマー)で川田将雅騎手を背に最後の100mで凄まじい追い上げを見せ½馬身差の勝利を決めたラヴズオンリーユーは、2021年最優秀芝牝馬に選ばれた。その3レース後のBCディスタフ(G1)でマルシュロレーヌが意外な勝利を果たしたことからも分かるように、このブリーダーズカップ開催日(11月6日)は日本馬の活躍の始まりにすぎないということだ。
BCフィリー&メアターフは、2021年にラヴズオンリーユー(牝5歳 父ディープインパクト)が北米で走った唯一のレースだったが、そこでウォーライクゴッデスを破っている。ウォーライクゴッドネスはそのレースに1番人気で臨み、先頭に立って直線に入ったが、3着に敗退した。ラヴズオンリーユーは国際的な傑出馬であることが証明され、通常牡馬と対戦していることもあり、それがエクリプス賞を受賞する足掛かりにもなった。
ノーザンファームが生産したラヴズオンリーユーは日本で京都記念(G2)を制し、札幌記念(G2)で2着となっていた。ドバイシーマクラシック(G1 メイダン)では3着に入り、香港ではクイーンエリザベス2世カップ(G1)と香港カップ(G1)を制覇した(BCフィリー&メアターフは2021年に出走した唯一の牝馬限定戦だった)。
その素晴らしい2021年の出走計画を練ったのは矢作芳人調教師である。彼はラヴズオンリーユーの記念すべきブリーダーズカップ制覇を祝ったときにこう語った。
「レースはとても激しいものに見えました。すごくタフなレースでしたね。しかしレース前には自分たちの馬が一番だと思っていたのです。そう信じていました。彼女はこの偉大なレースを制したのだから、尊敬しかありませんね」。
ブリーダーズカップの後、通訳を介して話したDMMドリームクラブの取締役である野本巧氏は、「今後、米国競馬界はブリーダーズカップやそれ以外のレースでより多くの日本馬が出走するのを目にすることになるでしょう」と予想した。
そして、「私たちは歴史を作りました。ブリーダーズカップを勝ったのですから、日本の競馬産業全体がブリーダーズカップに挑戦することになるでしょう。この勝利により、ブリーダーズカップが日本競馬に開かれることになると思います」と付言した。
野本氏がこう語ったのは、マルシュロレーヌが勝利を挙げる前だった。
最優秀芝牝馬の得票数
ラヴズオンリーユー(136票)、ウォーライクゴッデス(70票)、サンタバーバラ(10票)、ゴーインググローバル(6票)、アルティカ(5票)、シャンティサラ(2票)、コンリマ(1票)、マイシスターナット(1票)、リーガルグローリー(1票)、棄権(3票)。
By Frank Angst
[bloodhorse.com 2022年2月10日「International Standout Loves Only You Grabs Eclipse」]