米国ジョッキークラブ(TJC)は2月17日、種牡馬1頭が1年間に種付けする牝馬の頭数を制限するルールを、業界内の結束を高めるために撤回すると発表した。
TJCのリリースによると、"アメリカ血統書の主要登録規程および要件(Principal Rules and Requirements of The American Stud Book)"の種付頭数の上限を140頭としていたルール14c条の文言を取り消すという。
取り消されるルールの文言は次のとおりである。「米国・カナダ・プエルトリコにおいて、2020年以降に生まれた種牡馬1頭が種付けする牝馬の総数は暦年あたり140頭を超えてはならない。TJCは各種牡馬の種付証明書を暦年あたり最多140枚に制限するものとする」。
名門3牧場がこの種付頭数制限ルールに異議を申し立てる訴訟を起こしていた。最近ではケンタッキー州の議員たちが、TJCがケンタッキー州の種牡馬にこのような制限を設けることを禁止する法案を提出していた。
同様の種付頭数制限ルールは2019年9月に初めて提案され、その後広範にわたるパブリックコメントを経て、2020年5月にTJC理事会によって現在の形で採択されたと、TJCは述べた。今回このルールは更新され、種付頭数の制限は削除されることになる。
TJCのスチュアート・S・ジャニー(Stuart S. Janney III)会長はこう述べている。「TJC理事会はこのルールを撤回します。多くの重要な問題に団結して取り組むべきときに、このルールに対する反応が業界を分断させることを憂慮しています。 私たちは業界全体のより大きな利益のためにこのような行動を取るのです」。
「TJCは血統の持続可能性と繁栄のために尽力しており、今後も業界を強化し支援するためのプログラムや研究に投資していきます」。
By Blood-Horse Staff
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