海外競馬ニュース 2023年03月23日 - No.11 - 3
ロードノース、日本馬を警戒もドバイターフ3連覇を狙う(ドバイ)[その他]

 3月21日(火)の朝、メイダン競馬場に人影はまばらだったが、セイディ・ゴスデン調教師はその中の1人であり、ドバイワールドカップナイト(3月25日 メイダン競馬場)で攻撃を繰り広げるであろう管理馬3頭を見守っていた。

 父ジョン氏は週後半に到着する。一方、セイディ氏は飛行機から降りて数時間後に、タペタコースで調教を積む管理馬を見ていた。検疫厩舎を出たばかりの3頭は熱心に運動しており、中でもロードノースが力強く走っているように見えた。

 ドバイターフ(G1)の3連覇を目指すロードノースは昨年、パンサラッサと同着優勝となり英国の名誉をどうにか保持した。その開催では、数々の日本馬が勝利を収めていた。セイディ・ゴスデン調教師は最近の日本馬の挑戦に心から敬意を払いながらも、今回は管理馬をより確実に仕上げて遠征先に送り出したと自負している。

 彼は「去年も相当きつかったです」と冗談を言いながらこう語った。「パンサラッサが2月のサウジカップ(G1)を制したことで、その実績は万人が認めるものとなりました。日本馬は中東で桁違いに好調で大きな結果を出しているので、なかなか手ごわいものがあります」。

 「ロードノースは昨年と同じルートを辿ってウィンターダービー(G3)に臨みましたが、今回は勝つことができました。長期休養を経て、まったく鞭を使わない状態でのはるかに強い印象を与える勝利でした」。

 今年はパンサラッサが総賞金1,200万ドル(約15億6,000万円)のドバイワールドカップ(G1)に挑むため、ブックメーカーは日本のドウデュースがロードノースの最大の敵であると見なしている。ゴドルフィンの3頭、リアルワールド、ネーションズプライド、マスターオブザシーズもドバイターフに参戦する。

 昨年の英オークス2着馬エミリーアップジョンは調教での状態が上がらず出走を取りやめることになったため、ゴスデン厩舎にドバイシーマクラシック(G1)4勝目をもたらすことはない(訳注:これまでの3勝はダーレミ、ジャックホブス、ミシュリフにより達成)。しかしゴスデン親子はモスターダフという有能な代役を用意している。

 モスターダフ(牡5歳)のネオムターフ(G3 2100m キングアブドゥルアジーズ)での後続を引き離しての優勝には少々驚かされたが、今回距離を戻して挑むドバイシーマクラシック(2410m)で彼がそのときの勝利をベースに飛躍することをセイディ・ゴスデン調教師は期待している。

 「モスターダフはもともと才覚のある馬です。出走に向けて順調に調教を積み、手ごわいレースをスムーズに終わらせました。セプテンバーS(G3 約2400m)を制覇しましたが、メイダンはとてもフラットで公平なコースなので、距離を縮めるよりも延ばすほうが良いと考えました」。

 ゴスデンチームの3頭目は、イボアH(ヨーク)を制したトローラーマンである。2月にリヤドのレッドシーターフ(G3)にも出走しており(訳注:結果はシルヴァーソニックの8着)、ドバイゴールドカップを目指している。ただゴスデン厩舎はというと、主役を欠いたまま業務を遂行している。

 セイディ・ゴスデン調教師は、しばらく英1000ギニーの有力候補とされていた馬についてこう語った。「あいにくコミッショニングは内面的な問題があって引退させざるを得ませんでした。無敗の最優秀2歳牝馬としてレースキャリアを終えました。あらゆることは順調に進んでいますし、ギニー競走まで時間があります」。

 ドバイワールドカップはケルソーとニューベリーの午後の障害競走が終了したあと、今回初めてITV4で放映される。ITV4はドバイターフとドバイシーマクラシックも放映する予定。

By Maddy Playle

(1ドル=約130円)

[Racing Post 2023年3月21日「'They're hard to take on' - Gosden wary of Japanese rivals as Lord North gears up for Dubai Turf hat-trick bid」]