カザフスタン出身のバウルジャン・ムルザバエフ騎手(30歳)は数シーズンにわたりドイツを拠点に活動してきたが、このたびアンドレ・ファーブル厩舎の主戦ジョッキーになることに合意した。
火のないところに煙は立たない。昨年の凱旋門賞ウィークエンドで、ファーブル調教師はムルザバエフ騎手に何鞍か騎乗を依頼していた。
その当時、このカザフスタン人ジョッキーがシャンティイの名伯楽のもとに移籍するのではないかという噂が立っていたが、ムルザバエフ騎手は2023年もドイツのペーター・シールゲン厩舎にとどまることを希望していた。ところが、冬場に日本での短期騎乗で多くの勝利を収めた彼は、ついにファーブル調教師のオファーを受け入れた。そしてドイツのウェブサイト『galopponline』でこう説明している。
「昨年フランシス-アンリ・グラファール調教師からオファーを受けたとき、準備ができていなかったのでドイツにとどまりました。これからはフランスでさまざまな変化があるだろうということは分かっています。スポーツ選手である以上、現役生活は短く、これは私にとってとても大きなチャンスなのです」。
情報筋によると、ムルザバエフ騎手は3月16日(木)の朝からシャンティイの調教で騎乗するという。週末のレースの出馬投票には遅れないはずである。彼のフランスへの移籍は、これまでの職場、シールゲン厩舎に動揺をもたらすだろう。シールゲン調教師はジャーナリストのリズ・プライス氏にこう語った。
「彼は、アンドレ・ファーブル厩舎に移籍するためにフランスに行くということを私たちに伝えてきました。平地シーズンが始まりつつある中で、この移籍のタイミングは間違っているのかもしれませんが、フランスでキャリアを積みたいという気持ちは十分に理解しています。一緒に素晴らしい時間を過ごしましたし、今後の活動でたくさんの勝利を挙げていくことを祈っています。私たちの厩舎に関しては、昨年サンマルコでダルマイヤー大賞(G1)を制してくれたルネ・ピーヒュレク騎手と、そしてすでに厩舎の一員であるシビル・ヴォークト騎手とより緊密に協力できることを嬉しく思っています」。
By François Moreau