豪州のスーパースター、アナモー(牡4歳 父ストリートボス)がこの夏ロイヤルアスコット開催に遠征することはない。馬主のゴドルフィンがこのG1・9勝馬を引退させて種牡馬生活を送らせることを決定したのだ。
アナモーは2023年の南半球種付けシーズンから豪州のダーレーの種牡馬群に加わる。競馬帝国ダーレーの豪州拠点の看板馬として、アナモーは通算成績25戦14勝を挙げ、600万ポンド(約9億9,000万円)以上の賞金を獲得した。
14勝のうち9勝はコーフィールドギニー(G1)やローズヒルギニー(G1)などのG1競走で挙げられたものである。そのほか3着内には8回入っている。また、この20年間で2歳・3歳・4歳シーズンにそれぞれG1勝利を果たした2頭目の豪州馬として引退する。
ゴドルフィンの所有馬として最多G1勝利を果たしたアナモーは今後、ケルビンサイド(ニューサウスウェールズ州ハンターバレー)の種牡馬群に加わる予定。
アナモーを管理したジェームズ・カミングス調教師はこう語った。「私たちのチームは、アナモーがレースキャリアで達成したすべてのことを誇りに思っています」。
「彼にがっかりさせられたことは一度もなく、どのレースでも頼りになりました。引退後の成功を心から祈るとともに、いつか彼の産駒が私たちの厩舎に来るのが楽しみでなりません」。
「私たちのチームにとって、アナモーをケアしてレースキャリアを歩ませてきたことは大変な名誉であり光栄なことでした」。
「彼の健康を常に最優先に考えており、このような素晴らしい状態で引退させられたことを大変誇りに思っています」。
アナモーは大半の勝利をジェームズ・マクドナルド騎手とのコンビで収め、今年に入ってからはチッピングノートンS(G1 ランドウィック)やジョージライダーS(G1 ローズヒル)などを制している。
ドバイオナー(ウィリアム・ハガス厩舎)の3着に終わったクイーンエリザベスS(G1ランドウィック)がラストランとなった。その後、陣営はロイヤルアスコット開催への参戦を検討していた。クイーンアンS(G1)でのアナモーのオッズは9倍から17倍とされていた。
ゴドルフィン・オーストラリアのヴィン・コックス社長はこう語った。「アナモーが現役を引退するのは、嬉しくもあり悲しくもあります。彼はゴドルフィンと競馬界にとっての象徴的な存在として記憶に残るレガシー(遺産)を残し、これ以上証明するものはありません」。
「生産者が最も重要視する要素は競走能力・血統・風格ですが、彼はまさにそれらすべてを備えているのです」。
「名高いダーレーの種牡馬群に加わって新たな道のりを歩もうとしているアナモーが、豪州史上最も人気を博す優秀な種牡馬であることは間違いありません」。
By Liam Headd
(1ポンド=約165円)
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[Racing Post 2023年4月21日「No Royal Ascot for Anamoe as Godolphin retire Australian superstar」]