5月30日（火）のケンタッキー州競馬委員会（KHRC）の免許審査委員会で、リック・ダトロー（Rick Dutrow Jr.）調教師（63歳）にケンタッキー州の調教師免許が付与された。4人からなる委員会は満場一致でこれを承認した。ダトロー調教師はかつてクラシック競走を2勝し、BCクラシック（G1）でも勝利を収めている。

　ニューヨークからリモートで委員会に出席したダトロー調教師は、「ケンタッキー州で免許を取得して、馬を連れて行って、競馬を始めたいだけです。ほかの人と同じように勝ったり負けたりしたいのです」と証言した。

　また、ダトロー調教師はベルモントパーク競馬場の厩舎に23頭の管理馬がいるほか、"牧場にも私が管理していると言える数えきれないほど多くの馬がいる"と述べた。

　彼が免許取得を求めたのは、ニューヨーク州とケンタッキー州だけである。ニューヨーク州により免許が付与されたのは2月であり、5月6日からベルモントパーク競馬場で管理馬6頭を出走させている。

　ニューヨーク州は2011年、アケダクト競馬場で勝ったダトロー調教師の管理馬から鎮痛剤のブトルファノール（butorphanol）の痕跡が検出されたため、調教師免許を10年間はく奪した。この処分はほかの州でも適用された。その後、ダトロー厩舎を捜査したところ、筋弛緩剤であり鎮静剤であるキシラジン（xylazine）が入った注射器3本が発見された。

　ダトロー調教師は1979年から延べ7,210頭を出走させ1,812勝を挙げている。2008年のケンタッキーダービー（G1）とプリークネスS（G1）をビッグブラウンで制し、2005年のBCクラシック（G1）をセイントリアムで優勝した。そしてコートビジョン、キップデヴィル、シルバートレインで複数のG1を制した。

（訳注：ダトロー調教師は2008年、フロストジャイアントをジャパンカップダートに出走させた。結果は12着）。

By Jim Mulvihill

（関連記事）海外競馬ニュース 2011年No.46「デュトロー調教師への免許停止処分、30日間延期される（アメリカ）」

［bloodhorse.com 2023年5月30日「Rick Dutrow Granted Kentucky Trainer's License」］