ホリー・ドイル騎手は6月11日(日)の伊オークス(G2)を制したあとも、きらびやかな国際的な経歴をさらに広げるチャンスを求め続けるだろう。
ドイル騎手は昨年、ナシュワとのコンビで仏オークス(G1 ディアヌ賞)を制して自身初のクラシック制覇を成し遂げていた。そして今回、日本人オーナーの吉田勝己氏により最近購買されたばかりのシャヴァサーナ(Shavasana ステファノ・ボッティ厩舎)に騎乗するために、ミラノのサンシロ競馬場に遠征した。彼女はこの遠征の前日と翌日にリングフィールド競馬場で勝利を挙げている。
ドイル騎手はゆっくりとミラノ観光をする機会には恵まれなかったが、G2のトロフィーを携えて英国に戻り、このレースを制した伝説のジョッキーのリストにその名を刻んだ。そのリストにはウィリー・カーソン、ウォルター・スウィンバーン、フランキー・デットーリ、キーレン・ファロンの名がある。また、女性騎手として初めてこのレースの優勝を達成した。
昨冬、夫のトム・マーカンド騎手とともに日本での短期騎乗で活躍したドイル騎手はカタール、ドイツ、香港でも好成績を収めており、その才能を発揮するための機会を求めることに意欲的である。
彼女は「これまでサンシロで騎乗したことがなかったのですが、実際に行ってコースをつぶさに見てみたのです。とても乗りやすいコースでしたね。イタリア最大の開催日の1つで、誰もが本当に情熱的で、私が来たことに喜んでくれていたようです。すごく歓迎してもらいました」。
ドイル騎手は伊1000ギニー(G3)優勝馬シャヴァサーナに騎乗してペースを作り、スタミナに関する疑問を払拭し、2200mの距離を根気強く走り切り、単勝3.2倍の1番人気馬ビューザビール(View Zabeel)を½馬身差で破った。
ドイル騎手はこう語った。「シャヴァサーナはとても素直で乗りやすかったです。マイルで生き生きと走っていたので、はたしてこの距離を粘り強く走り切れるだろうかと疑問に思っていたのです。しかし血統的に持ちこたえるだろうとも思っていて、ありがたいことにその通りに走ってくれましたね」。
「彼女はすごく能力があり、私にとっても良いレース展開になりました。コースを歩いてみたとき、直線が4~5ハロン(800~1000m)あるので能力が試されるだろうなと思っていました。しかし、彼女はリラックスしていて先頭でレースを進めることができました」。
そして「世界中で騎乗したいのでこのような思いがけない騎乗の機会があれば、断りたくはありません」と付け加えた。
伊オークスは2007年にG2に格下げとなったが、G1競走で優勝するための足掛かりになるレースとして使われてきた。特に2011年には、後に凱旋門賞(G1)優勝牝馬となるデインドリームが勝利を収めている。
シャヴァサーナはそのような特別なレースに挑むことはないだろうが、フランスのシャンティイに向かってフランシス・グラファール厩舎に移籍しようとしている。
グラファール調教師は、「シャヴァサーナは一途に走る良い牝馬です。伊オークスでは勇敢さを見せてくれました。今週、私のところに転厩してくるので、いろいろな選択肢を検討したうえで、今後の進路を決めたいと思います。競走距離を延ばすことはないと思います」と語った。
By Maddy Playle
[Racing Post 2023年6月12日「'I want to ride all over the world' - Hollie Doyle bags more Classic success with Oaks d'Italia victory」]