海外競馬ニュース 2023年07月06日 - No.25 - 4
デットーリ騎手、豪邸を賃貸に出しトロフィーをオークションへ(イギリス)[その他]

 フランキー・デットーリ騎手がシーズン末の引退後の計画の一環として、垂涎の的である120個以上ものトロフィーや賞品をオークションに出品し、ニューマーケットにある豪邸を賃貸に出した。

 世界中の最高峰のレースで獲得してきた賞品がひしめき合っている。オークション会社チェフィンズ(Cheffins)が"一生に一度"と称するこのオンライン・コレクションには、デットーリ騎手がイタリアで飛躍を遂げた時期の賞品から今年6月にソウルシスターで制した英オークス(G1)のトロフィーまでがある。

 また7つの寝室がある豪邸は先週、1ヵ月あたり1万5,000ポンド(約278万円)で賃貸に出された。敷地は5エーカーの広さがあり、放牧場・乗馬施設・ホームシネマ・温水プールなどがある。2018年に建設されたこの豪邸は、ニューマーケット郊外のシックスマイルボトム(Six Mile Bottom)に位置している。

 オークションの収益の一部は、慈善団体アフリカ直接支援(Direct Aid for Africa:DAFA)に寄付される。DAFAの設立者はブックメーカーでありデットーリ騎手の親友でもあった故バーニー・カーリー氏である

 スティーヴ・コーセン騎手からの贈り物であり、デットーリ騎手が30年以上前から"飛び乗ったり降りたりしてきた"体重計や、ゴドルフィンの勝負服、ロイヤルアスコット開催での功績が記されたサドルクロスなどが出品される予定だ。

 ひときわ目立つアイテムの中には、サイン入りの乗馬ブーツと鞍、ロンジンワールドベストジョッキーに選ばれたときに贈られた花瓶、スコーピオンで2005年英セントレジャーS(G1)を制したときの賞品サルヴァ(銀製盆)などがある。またコレクションには、欧州・中東・香港・米国のビッグレースのトロフィーも含まれている。

 デットーリ騎手は11月のメルボルンカップ(G1)で栄光をかけた最後の戦いに臨んで、40年のキャリアに終止符を打つ。その後ロンドンの近くに引っ越し、旅行に行くつもりである。

 デットーリ騎手はこう語った。「ニューマーケットから離れるつもりです。ここは私の人生でした。断捨離しようとしていて、たくさんの荷物があるので、オークションに出すほうがいいと考えたのです。これらの品々は引出しや食器棚、地下室にしまってあって気づきませんでした。つまり、あちこちにあるのです。現在大掃除をしていて、長年に渡ってこんなに溜まっていたとは思いもよりませんでした」。

 「トロフィーを飾るには大邸宅が必要です。自分にとって思い出ぶかいものは残しておこうと思いますが、残りはオークションに出します」。

 この1回かぎりのオークションは7月5日(水)に始まり7月18日(火)まで開催される、これらの品々はチェフィンズのウェブサイトで落札できる。

 https://www.the-saleroom.com/en-gb/auction-catalogues/cheffinsfineart/catalogue-id-srche10284

 チェフィンズの競売担当副マネージャーであるハリエット・ラスティ氏はこう語った。 「これは一生に一度のチャンスです。世界で最も偉大なアスリートの1人が出品した賞品や記念品を手に入れることができるのです。このオークションは2週間にわたってオンラインのみで行われ、フランキーがこれまでに獲得した最も重要な賞品もいくつか含まれています」。

 「競馬ファンにとっては信じられないような機会です。フランキー・デットーリ騎手はずっと世界一有名なアスリートであり続けてきましたから、英国だけでなく、欧州諸国・中東・米国のバイヤーから関心が寄せられると期待しています。トップアスリートが獲得した賞品は厳重に保管されていることが多いので、一般のファンが競馬史の一部を手に入れられるというのは、ほとんどあり得ないシナリオなのです」。

By James Stevens

(1ポンド=約185円)

[Racing Post 2023年7月3日「Fancy staying at Frankie's? Dettori's mansion on the market and trophy collection offered in 'once-in-a-lifetime' online auction」]