海外競馬ニュース 2023年02月02日 - No.4 - 3
カーリン、2022年にエクリプス賞受賞馬3頭を送り出し歴史を作る(アメリカ)[生産]

 2022年競馬シーズンは数頭の種牡馬にとって記録的な年となった。

 スペンドスリフトファームの看板種牡馬イントゥミスチーフは1シーズンあたりの北米での産駒獲得賞金の記録を更新し、総合種牡馬ランキングで4年連続の首位に輝いた。スリーチムニーズファームのガンランナーもセカンドクロップサイアーの産駒獲得賞金の記録を更新し、2年連続でタイトルを獲得した。

 1月26日(木)のエクリプス賞授賞式ではヒルンデール・アット・ハラパの種牡馬カーリン(19歳 父スマートストライク)が52年続くエクリプス賞の歴史において初めて同年に3頭(実頭数)の受賞馬を送り出した。これでエクリプス賞受賞馬となる彼の産駒は合計6頭となった。

 カーリンの娘マラサートは2022年最優秀ダート牝馬に選出され2度目の受賞となった。母はG1馬ドリーミングオブジュリア。4歳シーズンに6戦4勝(2着2回)という成績を残した。2022年の後半に余力を温存し、パーソナルエンスンS(G1)、スピンスターS(G1)、BCディスタフ(G1)を立続けに制した。シャドウェルステーブルに所有され、トッド・プレッチャー調教師に管理されたマラサートは2022年だけで205万5,675ドル(約2億6,724万円)を獲得した。

 マラサートはストーンストリート・サラブレッド(オーナー:バーバラ・バンケ氏)により生産された。この牧場は母のドリーミングオブジュリアのオーナーブリーダーでもあり、2007年と2008年に年度代表馬になったカーリンを共同所有していた。

 ネストはマラサート(2021年)とステラウィンド(2015年)に続き、カーリンにとって3頭目の最優秀3歳牝馬となった。アシュビューファームとコルツネックステーブルにより生産され、母はステークス勝馬マリオンレイヴンウッド。ネストはアシュランドS(G1)、アメリカンオークス(G1)、アラバマS(G1)を制し、ベルモントS(G1)では2着に健闘するなど存在感を際立たせた。プレッチャー調教師に管理され、馬主はリポールステーブル、エクリプスサラブレッドパートナーズ、マイケル・ハウス氏である

 ジャドモントファームのエリートパワーは2022年に6戦5勝を果たした。ヴォスバーグS(G2)とBCスプリント(G1)を制してシーズンを締めくくり、エクリプス賞の最優秀短距離牡馬のタイトルを手に入れた。アルファデルタステーブルスにより生産され、母はG2勝馬でG1・3着内馬のブロードウェイズアリバイである。現在5歳のエリートパワーはビル・モット調教師のもとで現役を続行している。

 同年にエクリプス賞受賞馬2頭(実頭数)を送り出した種牡馬はほかに14頭いる。

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 1978年~2003年にミスタープロスペクターは通算最多の受賞馬10頭を送り出し、これらの産駒は11のタイトルを獲得した。

 また牝馬2頭がそれぞれ複数のエクリプス賞受賞馬を送り出すという目覚ましい栄誉に浴している。ジャドモントファームの優良繁殖牝馬ハシリ(父カヤージ)は7頭の重賞勝馬を送り出した。そして2001年にバンクスヒル(父デインヒル)、2005年にインターコンチネンタル(父デインヒル)がそれぞれ最優秀芝牝馬に選ばれた。一方ライブオークスタッドの自家生産馬ウインアプルーヴァルは繁殖生活において4頭の重賞勝馬を送り出し、2006年にミエスクズアプルーヴァル(父ミエスクズサン)、2017年にワールドアプルーヴァル(父ノーザンアフリート)がそれぞれ最優秀芝牡馬に選ばれた。

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By Eric Mitchell

(1ドル=約130円)

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