海外競馬ニュース 2023年12月14日 - No.48 - 2
ATC、ローズヒルガーデンを閉鎖、「将来を保証する」競馬産業に50億豪ドル投資へ(豪州)[開催・運営]

 オーストラリア・ターフ・クラブ(ATC)はローズヒルガーデン競馬場を住宅や小規模なエンターテイメント街に開発し、そこから得る50億豪ドル(約4,750億円)を競馬および競馬関連施設に投資する考えを発表した。
 ローズヒルガーデン競馬場の跡地には、シドニーメトロ(電車)の新設駅に隣接する形で、25,000戸の住宅を建設する。収入はATCが保有する競馬場や調教施設のリニューアルや新設に充てられる。
 ローズヒルガーデン競馬場での開催や調教は、2030年までに順を追って別の競馬場や新しい施設に移行していく。
 ATCチェアマンのピーター・マクゴーラン氏は、この提案はシドニー競馬の歴史上、最も重要なチャンスであるとし、次のようにコメントした。
 「この計画はシドニー競馬の将来を保証するものになる。シドニー競馬を世界で最も優秀な、近代的且つ経済的に安定した競馬団体に押し上げるプロジェクトだ」。

 ATCは以下のものに投資する計画である。

  • ホースレイ・パーク地区(シドニー国際検疫センターに隣接)に新たなトレーニングセンターを建設し、現在ローズヒルガーデンに所属する厩舎の移転先および新たな調教師の拠点とする。
  • ワールドクラスの新しい競馬場をシドニー内に建設するため、候補地となる場所を複数箇所指定し、調査する。
  • ウォリックファーム競馬場の全面リニューアル(世界最先端の馬場をはじめ、調教施設、厩舎地区、観戦スタンドの完全リニューアル)。
  • カンタベリーパーク競馬場の本馬場の拡大および観戦スタンドを改築しリニューアルする。
  • ロイヤルランドウィック競馬場の厩舎、調教施設の拡大およびリニューアルをする。

 マクゴーラン氏は「ニューサウスウェールズ州の競馬産業に関わる全ての人-調教師、騎手、厩舎スタッフ、我々の会員、そして競馬ファン-がこのプロジェクトの恩恵を受けることになるでしょう。これは競馬の産業を保証するまたとない機会でもあり、シドニーの住宅不足問題を緩和させるべく、ATCが地域と地域経済に還元できるプロジェクトでもある」とコメントした。

 本プロジェクトはニューサウスウェールズ州の「民間提案制度」によるものです。

(1豪ドル=95円)

[Australian Turf Club 2023年12月7日「ATC TO INVEST $5 BILLION TO FUTURE-PROOF RACING INDUSTRY」]