エニーギヴンサタデー(19歳 父ディストーテッドヒューマー)は韓国での8年間の供用生活を経て3月6日午後に引退馬施設オールドフレンズ(ケンタッキー州ジョージタウン)に到着した。1歳のときに100万ドル以上で購買されたこの馬は、レースキャリアでG1馬となり、種牡馬としても成功した。
エニーギヴンサタデーは昨年の種付シーズン終了後に種牡馬を引退していた。オールドフレンズの創設者兼会長のマイケル・ブローウェン氏は、韓国サラブレッド生産者協会(KTBA)の生産アドバイザーであるジュン・パク氏と、G1・2勝馬カーネルジョンを帰国させる可能性について話し合っていた。そのときに、エニーギヴンサタデーも帰国させられることを知ったという。カーネルジョンを連れ戻す契約は実現しなかったが、ブローウェン氏は、重賞を3勝したエニーギヴンサタデーを米国に連れ戻すことができて感激していると述べた。
「とても素敵に見えますね。まるで5歳馬のようです。半端じゃない1頭ですね」。
ウィンスターファームの自家生産馬であるエニーギヴンサタデーは2005年のキーンランド9月1歳セールで、馬購買エージェントのバズ・チェイス氏により110万ドル(約1億4,850万円)で落札された。ウィンスターファームはこの牡馬をトッド・プレッチャー調教師のもとに預けた。そしてサムFデーヴィスS(L タンパベイダウンズ)を制した後、サティッシュ&アン・サナン夫妻のパドゥアステーブルにこの馬の所有権を売却した。
エニーギヴンサタデーはその後タンパベイダービー(G3)で2着、ウッドメモリアルS(G1)で3着となったが、ケンタッキーダービー(G1)では8着に敗れた。しかしドワイヤーS(G2)・ハスケル招待S(G1)・ブルックリンH(G2)を立続けに制して挽回を果たした。ハスケル招待Sでは、ダービー2着のハードスパン、プリークネスS(G1)優勝馬カーリンを打ち負かした。そしてBCクラシック(G1)では6着に終わり、通算成績11戦6勝(2着2回、3着1回)、獲得賞金108万3,533ドル(約1億4,628万円)で引退した。
モハメド殿下率いるダーレースタリオンズにより種牡馬として獲得されたエニーギヴンサタデーは、2008年に初年度種付料4万ドル(約540万円)で種牡馬生活をスタートさせた。サンランドパークオークス優勝馬プリンセスアラベラなどを送り出し、2012年セカンドクロップサイアーランキングのトップ10に入った。2013年にはブラックタイプ勝馬4頭を含む産駒の獲得賞金が430万ドル(約5億8,050万円)以上に到達し、サードクロップサイアーランキングの5位に入り父ディストーテッドヒューマーの領域に入った。
エニーギヴンサタデーも4シーズンにわたり豪州にシャトルされた。初年度からダーレーの種牡馬群に名を連ねていたが、2014年の種付シーズンをピンオークレーンファーム(ペンシルべニア州)で過ごすことになった。そして2015年の種付シーズンの前に、韓国に売却されて輸出された。
エニーギヴンサタデーは種牡馬キャリアにおいて勝馬450頭を送り出している。その中にはブラックタイプ勝馬22頭、重賞勝馬5頭が含まれる。トップクラスの産駒の中にはG1を2勝し数百万ドルもの賞金を獲得したホッパーチュニティ(Hoppertunity)、BCターフスプリント(芝G1)優勝馬モンゴリアンサタデー、重賞勝馬のアドヴェンティスト(Adventist)、やヘイリロイ(Hey Leroy)などが含まれる。
パク氏もこの種牡馬の生まれ故郷である米国への帰国を嬉しく思っており、「マイケルはオールドフレンズを創設して以来、素晴らしい仕事をしてくれています。馬はそこで幸せに暮らしていて、競馬ファンもひきつづき馬を見守ることができるのです。それは素晴らしいことです」と語った。
ブローウェン氏は韓国サラブレッド生産者協会(KTBA)がエニーギヴンサタデーをオールドフレンズに寄贈してくれたことに感謝しており、こう語った。
「このような極めて大切な競走馬のために皆が協力し合えるという素晴らしい例です。早くミセス・パスチャーズ(Mrs.Pastures)の馬クッキーを食べさせてあげたいですね」。
By Eric Mitchell
(1ドル=約135円)
[bloodhorse.com 2023年3月6日「Any Given Saturday Arrives at Old Friends」]