急拡大する張月勝氏のユーロンスタッドの種牡馬群における若き主軸であるピエラータとアラバマエクスプレスは、初年度産駒が2歳戦線において好調な発進を見せたことで、2024年の種付料が増額となった。
また、ユーロンスタッドは4月18日(木)に8頭の強力な種牡馬群に加え、世界を震撼させたG1 2勝馬パンサラッサを、年の後半にオーストラリアにシャトルすることを発表した。初年度の種付料は16,500豪ドル(約165万円)を予定している。
興味深い新種牡馬である同馬は、矢作芳人調教師のもとで2023年の総賞金2,000万ドル(約30億円)のサウジカップ(G1)とその前年のドバイターフ(G1)を含む計7勝を挙げた。また2022年の天皇賞(秋)(G1)では、日本のスーパースター、イクイノックスの2着となった。
「現役時代の彼は非常にアグレッシブなレーススタイルで、興味深い血統とレース経歴を持ち合わせており、我々は"日本の血統"が生み出すものに絶大な信頼を寄せています」とユーロンスタッドのジェネラルマネージャーであるヴィン・コックス氏は語った。
「競走馬であれ、種牡馬または繁殖牝馬であれ、日本産の馬には投資する価値があります」。
27戦して約18.5億円の賞金を獲得したパンサラッサは、日本のアロースタッドで最初の北半球の繁殖シーズンを過ごしているところである。9月1日に開始する南半球の繁殖シーズンに間に合うようにユーロンスタッドの種牡馬群に加わる。
同じロードカナロア産駒では、ブルーダイヤモンド(G1)を制したタガロア(Tagaloa)と、日本のG2を制したダイアトニックが、それぞれ22,000豪ドル(約220万円)と13,750豪ドル(約138万円)で供用予定である。
ジョージライダーS(G1)を制した3歳馬ヴェイト(Veight)の父グラントの2024年度種付料は22,000豪ドル(約220万円)に据え置かれ、南半球産の初年度産駒が最高16万豪ドル(約1,600万円)で落札されたシャトル種牡馬ラッキーヴェガも、ユーロンでの4シーズン目の種付料が16,500豪ドル(約165万円)に据え置かれる。
コックス氏は、生産者にとって「グラントは傑出した価値を持つ」と示唆した。
過去3シーズンをユーロンスタッドで過ごした、衰え知らずの23歳のトップ種牡馬リトゥンタイクーン(Written Tycoon)の種付料は、引き続き"プライベート価格"とされ、種牡馬生活18年目となる今年もユーロン所有の限られた繁殖牝馬にのみ種付けが行われる。
張月勝氏は今シーズンも8頭の種牡馬に対し、彼の所有する多数かつ多様な繁殖牝馬群をあてがい、手厚くサポートする。
コックス氏は次のように述べる。
「何頭かの繁殖牝馬は外部の種牡馬で種付けするつもりですが、大半は私たちの種牡馬を付けるつもりです。市場における我々の牽引力は勢いを増しており、ここからは外部の生産者たちからより多くのサポートをいただくことが重要と考え、大変期待しています」。
「真に信頼のおける種牡馬群なのです」。
(1豪ドル=約100円)
By Tim Rowe
[ANZ Bloodstock News 2024年4月18日「All aboard the Yulong stallion express! Japan's Saudi Cup hero Panthalassa joins roster」]