第150回ケンタッキーダービー(G1)は、ミスティクダンが僅差でシエラレオーネに競り勝った。そのレースとは異なり、チャーチルダウンズ社(CDI)のビジネスの勝ち負けの決定に写真判定は不要だった。ケンタッキーダービー当日の発売金とダービー週の発売金が、記録を更新したのだ。
5月4日の全レース終了後、CDIはケンタッキーダービー週の発売金が好調であり、同社のレース部門を勢いづける結果であったと報告した。同社は、2億ドル(約300億円)をかけて新設されたパドックやプレミアム席の設置など、競馬場の改良がこの増益に貢献したとしている。
5月4日にチャーチルダウンズ競馬場で行われたダービー当日の発売金総額は3億2,050万ドル(約481億円)に達し、過去最高だった昨年の2億8,870万ドル(約433億円)から11%増加した。
20頭立てで行われた今年のダービーの発売金は2億1,070万ドル(約316億円)で、18頭立てで行われた過去最高だった昨年の1億8,870万ドル(約283億円)から11%増加となった。通常、出走頭数が増えるにつれて発売金は増加する。
ダービー週の発売金総額は4億4,660万ドル(約670億円)で、過去最高だった昨年の4億1,200万ドル(約618億円)から8%増加した。ケンタッキーオークス(G1)とダービーの両日を合わせたあらゆる発売窓口の合計額は3億9,580万ドル(約594億円)で、過去最高だった昨年の3億6,360万ドル(約545億円)から9%増加した。オークスは、午後に断続的に雨が降り、不良馬場であったにもかかわらずの記録更新となった。
ダービー当日の入場者数は156,710人で、昨年の150,335人を4.2%上回った。過去最高記録は2015年の170,513人である。
CDIはまた、TwinSpires.comのウェブサイトでの事前入金型賭けサービスで、ダービー当日のチャーチルダウンズ競馬場の発売金が9,210万ドル(約138億円)に達し、過去最高だった昨年の7,550万ドル(約113億円)を22%上回ったと報告した。TwinSpires.comにおけるダービーの発売金は6,090万ドル(約91.3億円)で、過去最高だった昨年の4,890万ドル(約73億円)を25%上回った。
日本からの出走馬が2頭いたが、日本での発売金は1,010万ドル(約15.4億円)となり、これまでの記録である2022年の830万ドル(約9.2億円)を上回った。フォーエバーヤングは3着、テーオーパスワードは5着であった。
例年と同様、ダービーの発売金増加は同社の税金等の調整前利益を改善し続けている、と同社はリリースで述べた。
CDIのCEOであるビル・カースタンイェン氏は次のように述べた。
「ケンタッキーダービーは、スポーツマンシップ、団結、伝統の力という不朽の精神の証です。この節目となる150回目の 『ラン・フォー・ザ・ローゼズ 』を祝して、私たちは新しいパドックをお披露目できることを光栄に思います。新しいパドックは、フロントゲートを通過するすべてのゲストの体験を根本的に向上させ、この由緒あるイベントの次の章への足がかりとなるのです。150年の歴史を振り返りながら、私たちはダービーファンたちに革新的な体験を提供できるように全力を注いでまいります」。
同社によると、ダービー週の調整後利益は、2022年の記録を1,400万ドル~1,600万ドル(約21億円~24億円)上回った昨年をさらに2,600万~2,800万ドル(約39億円~42億円)上回り、記録的な伸びになるものと見込んでいる。
(1ドル=約150円)
By Gregory A. Hall
[bloodhorse.com 2024年5月4日「CDI Reports Record Handle for Kentucky Derby Race, Day」]