米国を代表するオーナーブリーダーであるマイク・リポール氏は、5月4日に行われたケンタッキーダービーの後、「日本馬は芝、ダート双方で我々に追いついたと感じた」という。
同レースで日本のテーオーパスワードは5着となり、フォーエバーヤングは、かなり荒いレースとなった中で1着との差わずかハナ+ハナ差の堂々たる3着という成績を残した。それから1週間と空けずに、リポール氏は日本の千葉サラブレッドセールでオルフェーヴルの2歳牝駒を3,300万円で購入した。同馬の母は、リポール氏が以前所有しG2を複数勝利したアンリミテッドバジェット(父ストリートセンス、母アンリミテッドプレジャー、母父ヴァリッドアピール)である。
アンリミテッドバジェットは、2012-14年の間にキャリア12戦で4勝を挙げ、リポール氏とトッド・プレッチャー調教師に75万8,837ドル(約1億1,762万円)の賞金をもたらした。同馬はデビューから4戦を連勝し、勝ち鞍には12年のドゥモワゼルS(G2)、13年レイチェルアレクサンドラS(G3)、フェアグラウンズオークス(G2)が含まれる。その後に出走したケンタッキーオークス(G1)では、プリンセスオブシルマーとビホルダーに後塵を拝し3着となった。
現役引退後、リポール氏は同馬をファシグ・ティプトン社のノベンバーミックスセールに上場し、社台ファームがこれを130万ドル(約2憶150万円)で落札した。これまで日本では5頭の産駒をもうけている。その全頭がデビューを果たしているものの、ステークス競走での特筆した成績は牡駒ポルタフォリオ(父ハーツクライ)がJ・G2障害競走(※訳注: 23年の京都ハイジャンプ)で3着となったのみである。
リポール氏は購買したオルフェーヴル牝駒を米国に連れて行き、プレッチャー調教師に任せることを計画している。同氏は、「彼女の母のように重賞を勝って、オークスに出走できるといいですね」と語った。
またリポール氏は、千葉のセールへの参加はパット・カミングス氏とアレックス・ソリスII氏の手助けがあって実現したと述べた。
「日本の血統にはとても感銘を受けています。実は昨年、ディープインパクト産駒の繁殖牝馬も何頭か購入しました。今回購買した牝駒は、母アンリミテッドバジェットを自身がかつて所有していたということも当然ありますし、父オルフェーヴルも好きな種牡馬ですからね」。
またリポール氏は、日本人が米国の繁殖牝馬を購買することに対し、"我々が日本で繁殖牝馬を購入し米国に連れていくことが出来ている限りは" 問題がないと語った。
「私が所有する繁殖牝馬を日本の繁殖牝馬とトレードしたいと考えていますし、日本の馬をもっと買いたいと考えてもいます。日本の生産は、米国のそれよりも成功を収めていると思っています」。
(1ドル=約155円)
By Pete Denk
[bloodhorse.com 2024年5月10日「Repole: Japan Has Caught Up to Us on Both Turf and Dirt」]