ローマのカパンネッレ競馬場で開催された伊ダービー(G2)で他馬を寄せ付けずに制したボルナが、欧州ダービー2冠に向けて視界良好だ。
ボルナのオーナー、ダリウスレーシングは過去10年で独ダービー(G1)の勝馬を2頭輩出しており(シスファハンとその父、イスファン)、サクソンウォリアー(父ディープインパクト)の産駒のボルナにとり、それが次のターゲットレースになるだろう。ボルナはアルカナ社のオクトーバー1歳セールでホルジャー・ファウスト氏のHFTBエージェンシーによって20,000ユーロ(約340万円)で落札された。
エクーヴ牧場生産のボルナの母はキングダムカム(父キングズベスト)で、その半姉には優秀なステイヤーのトップトリップがいる。ボルナにとってイタリアは走り慣れた地で、昨年のグランクリテリウム(G2、サンシーロ)では2着に入り、先月ミラノで行われたバリアトライアルでは勝利を飾っていた。
伊ダービーで手綱を取ったアンドレアシュ・シュタルケ騎手は、最後の直線で抜け出すと周囲を見渡す余裕があり、最終的には英国からのデビッド・プロバート騎手騎乗の遠征馬ロイヤルスプレマシー(アンドリュー・ボールディング厩舎)に2馬身半差をつけて優勝した。
カパンネッレ競馬場の公式YouTubeチャンネルで、シュタルケ騎手は「このダービーを勝てて本当に嬉しいです。(2011年に)デインドリームで挑戦した時は3着でした。ドイツではダービーを8度勝っているので、このレースを勝つ番がようやく回ってきたのかもしれません」
「素晴らしいパフォーマンスでした。少しキョロキョロしていましたが、勝つべくして勝ちました。今日の競馬には正直驚きました」とコメントした。
ダリウスレーシングのマネージャーでもあるファウスト氏は、レース後次のように語った。
「彼はとても優秀な馬だと思います。馬場も不問ですし、素晴らしい走りをしてくれました。グランクリテリウムで2着に来たのを見てから、我々にとっての最大の目標はこの伊ダービーでした。一度帰国して馬の状態を見てからになりますが、次は独ダービーに向かうことになるでしょう」。
ボルナはサクソンウォリアーの2年目産駒で、同馬の産駒として通算5頭目の重賞馬になった。サクソンウォリアーはクールモアスタッドで繫養されており、種付料は25,000ユーロ(約425万円)である。
By Tom Peacock
(1ユーロ=170円)
[racingpost.com 2024年5月19日「Home Classic next for impressive Saxon Warrior colt Borna after Derby Italiano success」]