レパーズタウン競馬場のCEOであるティム・ハズバンズ氏は、アイルランド、イギリス、フランスの各競馬場の協力を強化し、日本中央競馬会(JRA)のような国際的な競馬主催者との既存のつながりを強化することが、世界の強豪馬たちをヨーロッパ最高峰のレースにより多く誘致する鍵になると考えている。
ハズバンズ氏は、アスコットの競走・メディア担当役員ニック・スミス氏が指摘するように、アジアの一流馬を自国や中東よりも賞金の劣る欧州のレースへ誘致することの難しさを認識している。
しかし、矢作芳人調教師がシンエンペラーを愛チャンピオンSと凱旋門賞の両方に出走させることが大いに期待されるなか、ハズバンズ氏は欧州の3大競馬国は、日本や香港、オーストラリアなどの馬主や調教師に対して、より一層の招致活動を行う必要があると感じている。
レパーズタウンは昨年、アスコット、グッドウッド、ヨークの各競馬場およびジョッキークラブとともに、BHAのジョー・ソーマレズ・スミス氏が委員長を務めるJRAとの合同委員会に参加した。協力関係を強化するとともに、最終的には相互の主要競走への出走を促すための方策を検討することを目的としている。
ハズバンズ氏は、次のように述べた。
「私たちは皆、それぞれの立場で競い合い、自分たちに最善となる方法を模索しています。しかし、おそらく将来に向けての最善の方法は、協調的なアプローチをとり、そこにフランスの関係者も参加してもらい、欧州のレースカレンダーをどう良い形に組んで、海外の競走馬に最高の機会を提供できるのかを検討することでしょう」
「皆が競い合い、9月にその観点で良い結果が出ることは望んでいます。しかしだからこそJRAや他の競馬主催者との協力が重要なのです。そうすれば我々は調整された考え方に基づいて、潜在的参加者にレース行程を示すことができるでしょう。彼らが出走しやすいようにできる限りの事をしないといけません」。
ハズバンズ氏は、愛チャンピオンSへの50頭もの登録は「大変な盛り上がりを見せており非常に重要なリニューアルになる」と絶賛した。ダブルスパラティヴDouble Superlative)とシーイットアゲイン(See It Again)の2頭は、南アフリカとの間の検疫が最近緩和された恩恵を受けている。
レパーズタウンの愛チャンピオンズデーに出走した日本調教馬は2019年のディアドラが最初だったが、それ以降は1頭も参戦していない。ハズバンズ氏は、海外のコネクションとの関係を築くためには多大な努力が必要であり、それによって相応しい馬がいるときに特定のレースを思い浮かべてもらえるようになるのだと指摘した。
「特に愛チャンピオンSと愛チャンピオンズフェスティバルに関して言えば、国際的なステータスのあるレースを維持することが重要だと思います」とハズバンズ氏は述べた。
「昨年のロンジンワールドトップ100レースのランキングで愛チャンピオンS は6位になりました。この2、3年、私たちは日本の馬主や調教師と関係を築くため、あらゆる機会をとらえて努力してきました。欧州、ドバイ、サウジアラビア、そして日本にも行って彼らの地元で会ったりしています。個人的な関係を築き、信頼関係を高めていくことは本当に重要なことだと思っています」。
By Scott Burton
[Racing Post 2024年4月18日「'We need a more coordinated approach' - Leopardstown boss believes European cooperation key to attracting international runners」]