海外競馬ニュース 2024年07月04日 - No.25 - 2
ベットフレッド社、英国三冠スポンサー権を独占し三冠馬にボーナス (イギリス)[開催・運営]

 ブックメーカーのベットフレッド社が来シーズンの英国クラシック競走全5戦のスポンサーになることが発表された。三冠を達成した馬に200万ポンド(約4億円)のボーナスを出すという高額なオファーは、平地レース界の2つの有力な競馬事業体(クールモアスタッドとジャドモントファーム)にも歓迎されている。

 ベットフレッド社がダービー(G1)、オークス(G1)、セントレジャー(G1)の3レースに、2000ギニー(G1)と1000ギニー(G1)を加えたことで、初めて1社が全5レースを支援することになる。ニューマーケット競馬場で行われる2000ギニーと1000ギニーは2011年からQIPCO社がスポンサーを務めていたが、先週同社は、英国競馬への投資を縮小すると発表した。

 1967年にフレッド・ドーン氏によって設立されたベットフレッド社は、2000ギニー、ダービー、セントレジャーの3冠競走を制した馬には7桁のボーナスを提供することも約束した。1970年のニジンスキー以来、牡馬の三冠馬は誕生しておらず、12年前のセントレジャーでエンキーに3/4馬身差で敗れたキャメロットが、最近ではもっとも三冠馬に近かった。

 キャメロットを管理したエイダン・オブライエン調教師は、最近ではトップクラスのシティオブトロイとオーギュストロダンの2頭についてクラシック三冠制覇の可能性を語ってきた。同氏は次のようにコメントした。「ベットフレッド社が三冠馬に200万ポンドのボーナスを出すことにしたのは素晴らしいことです。私たちバリードイルとクールモアの人間は、同社のシーズンを通してのスポンサーシップにとても感謝していますし、このボーナスはクラシック競走をより盛り上げるでしょう」

 「三冠競走をすべて制覇するには、類まれな馬でなければならず、質、格、スピード、スタミナ、そして精神的な強さを持っていなければなりません」。

 ジャドモントファームはすべての英国クラシック競走を制した実績があり、昨年の2000ギニーもシャルディーンで制している。レーシングマネージャーのバリー・マホン氏は、この三冠ボーナスがプラスに働くと考えている。

 「エキサイティングなニュースです。これらのボーナスはすべて大きな意味があり、クラシック競走を然るべき高いレベルで維持するために重要なものです。素晴らしいインセンティブであり、クラシック競走に出走馬を出す多くの馬主や調教師を三冠制覇に挑戦するように説得することができるでしょう」

 「もし私たちが十分な実力を持った馬で最初の2冠を制することができれば、間違いなく最後の1冠を手に入れようと挑戦する気になるでしょう」。

 ベットフレッド社は昨年、カズー社からオークス、ダービー、セントレジャーのスポンサーを引き継ぎ、今年1月にはエプソム競馬場で行われるオークスとダービーの2競走の支援を2026年まで延長した。2000ギニーと1000ギニーに加え、同社は来年5月に3日間にわたって開催されるベットフレッド・ギニー・フェスティバルの7つのレースもスポンサーする。

 ドーン氏はこう語った。

 「英国クラシック競走の5レースすべてのスポンサーになった者はいまだかつていないので、最初になれたことを誇りに思います。ブックメーカーとして、大好きな競馬というスポーツを支援できることを光栄に思います。英国クラシック競走を本来の場所である、世界の競馬の最前線に戻したいのです」。

 ジョッキークラブの競馬場担当常務理事エイミー・スターキー氏は次のように語った。

 「ベットフレッド社の多大な熱意と行動力がエプソム競馬場でのダービーとオークスをどれほど盛り上げたか、そして彼らの競馬に対する情熱がどれほど素晴らしいものか、これまで目の当たりにしてきました」。

 ニジンスキーが最も直近の牡馬三冠馬であるのに対し、最直近の牝馬三冠馬(1000ギニー、オークス、セントレジャー)は1985年のヘンリー・セシル調教師によるオーソーシャープである。

By Matt Rennie

1ポンド=約200円

[Racing Post 2024年6月27日
「Aidan O'Brien welcomes £2m Triple Crown bonus as Betfred take over backing of all five British Classics」]