※訳注:本記事は6/26(水)に行われた現地開催の前に公開されたものです。
イギリス国内で最高気温29-30℃が予想され、黄色のヒートアラート(訳注:英国保健安全保障庁が発令する暑熱警報で、黄色は4段階中2段階目)が発令されたことを受け、6月26日(水)各競馬場で暑熱対策が実施されることになった。
この日の午後、国内では計3場(ソールズベリー競馬場とカーライル競馬場で平地競走、ウスター競馬場で障害競走)で開催が予定されている。
BHA(英国競馬統括機構)の暑熱対策規定に基づき、競馬場内の厩舎とパドックの気温は常時モニターされる。また、屋根付きのクーリングエリアが増設され、水は通常時よりも多く用意される。更に、馬の健康状態を監視する獣医スタッフも常駐する。
ウスターの馬場取締委員であるエリザベス・オフラハティ氏は、次のように語った。
「気温は28~29度まで上がる見込みです。暑さ対策は万全で、馬とここで働くスタッフ全員のために大量の水と氷水を用意しています。厩舎には冷却用扇風機があり、いたるところに携行用の水が置かれます」
「レース後の洗い場は木陰にありますし、馬を洗うのを手伝う臨時スタッフも準備しています。獣医師を補助するためのスタッフも追加するなど、多くの対策を行っています」。
一方カーライルでは、気温がウスターほどは高くならないと予想されている。カーライルの馬場取締委員であるハリー・フィップス氏はこう言う。
「気温は24℃で、気持ちのいい日になりそうです。この地域としては珍しく高い気温ですが、この程度であれば過去にも開催を行った経験があります」
「レース後、着外となった馬が向かうエリアにはスタッフを増員しており、暑がっている馬に使うための水も通常より多く用意しています」。
BHAのウェブサイトには暑熱対策の詳細を説明するコーナーがあり、次のように記載されている。
"馬のコンディションは、BHAスタッフ、競馬場スタッフ、馬関係者等により常に注意深く監視される。天候が馬に与える影響が懸念される場合、BHA裁決委員は馬の福祉を守るための措置を講じることができる。"
"気温が30℃に迫るような場合には、競馬場にいる人々に対して予防措置を講じる必要がある。"
過去にイギリスが熱波に襲われた際、調教師たちは朝の調教を通常より早く開始して早く終わらせるなど、調教方法を工夫していた。
しかし、ジュリー・カマチョ調教師の夫でありアシスタントでもあるスティーヴ・ブラウン氏は、上半期の寒さと雨が長引いたため、今週の暑さは馬にとって快適なレベルだったと言う。
「しばらく寒かったので、馬たちは暖かい気候を楽しんでいるようです。早朝が涼しいということが重要ですが、現時点では問題ありません。これがもっと蒸し暑くなったり、朝8時の時点で20℃を超えたりすると、あまり好ましくありませんね」。
この猛暑も6月27日(木)には終わりを告げ、最高気温は24度まで下がると予想されている。
By Andrew Dietz
[Racing Post 2024年6月26日
「Hot weather provisions in place at racecourses with temperatures expected to peak at 30C」]