アスコット競馬場で開催されるシャーガーカップのチーム構成は、男女騎手の構成比が均等となるように調整されることが分かった。
ドバイデューティフリーがスポンサーとなるシャーガーカップは、8月10日に実施される。今年は「女性選抜チーム」だけでなく「世界選抜チーム」の全員が女性騎手で構成されることになるが、これは短期的な取り組みだ。アスコット競馬場の経営陣は、2025年には新たな長期的フォーマットで実施することを目指している。
4チーム(女性選抜、世界選抜、ヨーロッパ選抜、イギリス・アイルランド選抜)にはそれぞれ3名の騎手が選出され、今年はシャーガーカップ史上初めて、6名の女性騎手対6名の男性騎手という構図になる。
アスコット競馬場の競走・広報担当理事であるニック・スミス氏は「我々の狙いは、昨今のジョッキーランキングで起こり始めていることを反映させるべく、男女の構成比を50-50にすることです。今年に関しては、チーム名は今まで通りの名称で開催しますが、世界選抜チームは全員女性騎手を選出して男女の割合を均等にします」とコメントした。
「将来的には、チーム構成を『世界選抜男子』『世界選抜女子』『ヨーロッパ男子』『ヨーロッパ女子』のような括りにする可能性はありますが、今年はチームの名前を変えずに男女の騎手数を均等にするというコンセプトを試してみます」と、スミス氏は語った。
新たなチーム構成案から生じうる一つの課題として、スミス氏はイギリス、アイルランドの男性騎手の騎乗機会を制限してしまうことを挙げた。
「今年のシャーガーカップは、女性選抜チームに加えて全員女性騎手の世界選抜チームがあるので、少し違和感があるように見えるかもしれません。しかし、私たちとしては、あと一年かけて新たな構成を検討していきたいと思っています。その理由は、先ほど申し上げた新しいチーム構成に変更した場合、構成上は意味のあるものになりますが、イギリス、アイルランド、ヨーロッパの男性騎手たちの機会を奪うことになってしまいます。彼らにとっては、元々6つあった枠が3つに減ってしまうことになるからです」
「我々としては、最終的な決断を下すことが出来ない段階にあるので、今年は男女の数を均等にしながらも、イギリスとアイルランドの男性騎手数を維持するというバランスを取って実施することにしました」。
2012年に導入された女性選抜チームは、ポイント制で競われるシャーガーカップにおいて最多となる4勝を挙げている。
今年の全チームのメンバーは確定していないが、シャーガーカップ史上最も成功を収めているヘイリー・ターナー騎手が再び女性選抜のキャプテンを務め、サフィ・オズボーン騎手、マリー・ヴェロン騎手がそのチームメイトとして加わる。
オーストラリアを拠点としているイギリス生まれのレイチェル・キング騎手が世界選抜チーム主将を務め、バウルジャン・ムルザバエフ騎手がヨーロッパ選抜、タイグ・オシェア騎手がイギリス・アイルランド選抜のキャプテンを担う。
1999年に始まったこのチーム戦の将来について、スミス氏は次のように付け加えた。「女性選抜チームは、競馬場に来場するファンに絶大な人気があります。そのため、世界選抜女子チームとヨーロッパ女子チームという構成にした方が、女性騎手を複数のチームに散らすよりも我々にとっても大きなメリットがあります」
「いずれにせよ、来年以降も男性騎手6名、女性騎手6名で実施するという方向は変わらないはずで、これが覆ることはないでしょう。唯一の課題は、イギリス・アイルランドの男性騎手たちが必要以上に排除されないような仕組みを作ることだと考えます」。
By Andrew Dietz
[racingpost.com 2024年6月27日「Changes made to Shergar Cup to have even split between male and female jockeys」]