競走馬のアフターケアに関する国際フォーラム(IFAR)は7月18日、JRA理事長の吉田正義氏が来月開催されるIFARの開会宣言を行うと発表した。また、イギリスのサッカー界のレジェンドでありサラブレッド愛好家のマイケル・オーウェン氏が基調講演をすることも明らかにした。
8月27日(火)に丸一日かけて実施されるプログラムには、従来方式の会議に加えて、引退競走馬の様子を見る機会として地元の施設見学が盛り込まれている。
第8回IFARは8月27日から9月1日まで札幌で開催予定の第40回ARC会議と併せて開かれる。両イベントともにJRAが主催し、アジア競馬連盟(ARF)が支援する。IFARがARC会議と同時並行で開催されるのはこれが4度目となる。
吉田氏と共に会議の開会宣言を行うIFAR議長のダイ・アーバスノット氏は次のようにコメントした。
「我々は吉田氏が第8回IFARに参加していただけることを光栄に思います。JRAはIFARが掲げる目標にとって重要かつ献身的なパートナーであり、JRAの継続的なサポートに大変感謝しています。さらに、世界的に名声のあるマイケル・オーウェン氏に基調講演をしていただけることを、我々は誇りに感じています」。
吉田氏は2023年9月にJRA理事長に就任した。1983年にJRAに入会し、数十年に渡りいくつもの重要なポジションに就いてきた。2021年にはJRA常務理事、その後副理事長のポストを務めた。JRAはIFARの国際的な活動を支援することを目的とした複数年のスポンサー契約を締結しており、第8回IFARはJRAの支援のもと実施される。
「JRAは競走馬のアフターケアを非常に重要視しています。来る8月のIFAR会議の開会を宣言させていただけることは大変喜ばしいことであり、ARCと並行してこの会議を主催できることを嬉しく思います。IFARは競馬というスポーツをグローバルな規模でより良いものにするためにご尽力いただいています」と、吉田氏は述べた。
ビデオ形式で基調講演を行うオーウェン氏は、リバプール、レアルマドリード、ニューキャッスル・ユナイテッド、マンチェスター・ユナイテッド、ストーク・シティでプレーした元サッカー選手である。プレミアリーグ・ゴールデンブーツ賞を2度受賞し、イギリス人選手としてはもっとも最近のバロンドール(世界年間最優秀選手)を2001年に獲得している。熱狂的な競走馬生産者、オーナーでもあり、イギリスにマナーハウスステーブル(Manor House Stables)を設立した。妻のルイーズ・ボンソール氏と共に競走馬のアフターケア(の重要性)を訴えている。
独立したフォーラムであるIFARは、さまざまな競馬国のあいだの地理的・産業的相違点を認識しつつ、世界中でサラブレッドのアフターケアを向上させるために構想されたものである。IFARはIFHA(国際競馬統括機関連盟)とともに取り組み、サラブレッドの福祉の重要性への関心を高め、生涯にわたるケアについての教育を向上し、競馬以外の馬スポーツで元競走馬への需要が高まるよう支援している。
これまでにIFARは以下の国際会議に合わせて開催された。
・ 2017年5月 パンアメリカン会議(米国・ワシントンDC)
・ 2018年5月第37回ARCソウル大会(韓国)
・ 2019年5月 欧州・地中海地域競馬連盟総会(ノルウェー・オスロ)
・ 2020年2月第38回ARCケープタウン大会(南アフリカ)
・ 2023年2月第39回ARCメルボルン大会(オーストラリア)
なお、2021年と2022年にはバーチャルで会議が開催された。
IFARの詳細については以下を
https://www.internationalracehorseaftercare.com 、
また、アジア競馬会議(ARC)の詳細については以下を閲覧ください。
By IFAR press release
[IFAR 2024年7月18日「Masayoshi Yoshida and Michael Owen to Headline IFAR Conference」]