海外競馬ニュース 2024年08月01日 - No.29 - 3
ライバル馬を殴打した騎手に騎乗停止10日、甘い処分に物議(アメリカ)[その他]
アメリカのあるジョッキーが、ゴール手前でライバル馬の顔全体を殴打したにもかかわらず、わずか10日間の騎乗停止処分しか受けなかったことが、米国で大きな波紋を呼んでいる。
7月初旬、ウェストバージニア州のマウンテニア競馬場でヨーヨーモンに騎乗していたユーリ・ヤランガ騎手は、レースの先頭に立った後にライバル馬のラッキーステッパーを鞭で殴打した。
走行妨害による3日間の騎乗停止処分から復帰したばかりだったヤランガ騎手は、さらにラッキーステッパーのルイス・ネグロン騎手に肘鉄砲を食らわせたようにも見えた。また、アメリカでは禁止されている馬の頭より上に鞭を振り上げる行為をした。
この事件の結果、ヨーヨーモンは1着入線したが、ラッキーステッパーの2着に降着となった。一方、ヤランガ騎手は、「7月24日(水)の第8レースにおいて、8番のラッキーステッパーに対して走行妨害を行い、レース中に同馬の顔面を殴打した」ことによりルール違反となった。
この事件は大騒動となり、米国の著名な競馬ジャーナリスト、レイ・ポーリック氏は自身が運営するポーリックリポートのウェブサイトに次のように記した。
「馬の顔に鞭を打つのは許しがたい行為です。きわめて危険で不快な行為であり、ヤランガ騎手がウェストバージニア州の裁決委員から受けた制裁よりもはるかに重い罰を受けるに値します」
「競馬にとって不利益な行為であり、動物虐待の可能性もあると思われるこの深刻なケースに対して、弱腰で対応した同州の裁決委員は、自分たちの立場を再考すべきです。彼らは競走馬を守り、また顧客を最優先する規制をしていないのです」。
By Liam Headd
[bloodhorse.com 2024年7月25日「US racing fans in shock after jockey gets away with ten-day ban for whipping rival horse across the face」]