シンエンペラー(3歳)は予定通り9月14日のアイリッシュチャンピオンS(レパーズタウン競馬場)に出走し、その後凱旋門賞(10月6日、パリロンシャン競馬場)に挑む。
8月27日(火)にシャンティイに到着したシンエンペラーは、凱旋門賞で幾度となくもう一歩のところで優勝を逃してきた日本に、初の成功をもたらそうとしている。昨シーズンは京都2歳ステークス(GⅢ)を制し、今年は報知杯弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)で2着、東京優駿(GⅠ)で3着となっている。
矢作芳人調教師は、2021年のブリーダーズカップ開催でラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌで2つのG1勝利を獲得し、2023年にはパンサラッサでサウジカップ(G1)を制するなど、国際的に注目される勝利を数多く挙げている。だが、同調教師は欧州での飛躍的な勝利を追い求めている。
日本で開催されたアジア競馬会議のパネルディスカッションに登壇した矢作調教師は、フランス到着後のシンエンペラーの様子について「輸送がかなり長かったので、少し疲れていて体重も少し減っていますが、パフォーマンスに影響はありませんし、コンディションに満足しています」と語った。
まだ勝ったことのないレースの中で、凱旋門賞の順位付けについて尋ねられると、次のように話した。「凱旋門が一番上のレースです。私は3歳馬で凱旋門賞に挑戦したいとずっと考えてきました。シンエンペラーには来年も走るチャンスはありますが、経験を活かすためにも今年走らせたいと思っています」。
矢作調教師がシンエンペラーで最初に目指すのは、アイリッシュチャンピオンスSである。「チャンピオンSはヨーロッパで最も権威のあるレースの一つで、トップクラスの馬が集まります。そこでシンエンペラーが欧州の強豪相手にどれだけ好走できるか見るのが楽しみです」。
同調教師はまた、ジャパンダートクラシック(JpnⅠ、10月2日、大井競馬場)に出走するフォーエバーヤング(3歳)についても最新情報を公表した。今年2月にサウジダービー(G3)を制した同馬は、UAEダービー(G2)を制した後、ケンタッキーダービー(G1)では勝ち馬から短アタマ差の3着に終わった。
ブリーダーズカップクラシック(G1)の単勝前売りオッズでは、シティオブトロイが一番人気で、フォーエバーヤングは6倍となっている。
「シンエンペラーかフォーエバーヤングがシティオブトロイと対戦しなければならないことは分かっていました。エイダン・オブライエン調教師が彼をBCクラシックに出走させることをとても嬉しく思っています」と、矢作調教師は述べた。
松島正昭氏の共同所有馬であるジョセフ・オブライエン調教師の管理馬アルリファーも凱旋門賞に出走する。同馬はエクリプスS(G1)の2着馬で、パリロンシャンでは凱旋門賞への挑戦が11度目となる伝説的な日本人騎手の武豊がパートナーを務める。
By Jonathan Harding
[Racing Post 2024年8月29日「'That's the top race and I'm very happy with him' - trainer issues positive bulletin after big Japanese Arc contender arrives in France」]