海外競馬ニュース 2024年09月05日 - No.32 - 2
アルリファー、凱旋門賞制覇に大きな期待(アイルランド)[その他]

 ジョセフ・オブライエン調教師によれば、エクリプスS(G1、7月6日)でシティオブトロイを脅かしたアルリファー(牡4歳)は、ドイツのベルリン大賞(G1、8月11日)勝利後は、今シーズンの最終目標である凱旋門賞(G1、10月6日)に直行する予定だという。

 このアイルランド調教馬は、今シーズン、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツで出走し、サンダウン競馬場のエクリプスSではシティオブトロイから1馬身差の2着となった。凱旋門賞では、日本の伝説的騎手である武豊騎手が騎乗予定である。

 エクリプスSでの結果とベルリン大賞での勝利は、10月最初の日曜日にパリロンシャン競馬場で実施される凱旋門賞への足がかりとなった。今、オブライエン調教師の使命は、欧州におけるチャンピオンレースに向けてアルリファーを可能な限りベストな状態に仕上げることである。同馬にとって1マイル半(2,400m)のレースは2度目となる。

 オブライエン調教師は次のように語った。「ドイツの競走以降ずっと調子が良いですし、まだ少し先ではありますが、凱旋門賞を目指して準備し直行する予定です。アイルランドのチャンピオンSもまだ選択肢にはあるのでレパーズタウン競馬場の状態も気にしていますが、最も可能性が高いのはパリロンシャンに直行することです」

 「凱旋門賞は常に今シーズンのメインレースとして考えていたので、そこから逆算してきました。アルリファーには適性があると思っています。馬場状態への対応も含めてかなり万能な馬ですし、少しでも有利な展開になることを願っています」

 「昨年は出走が少なかった(遠征1回、計3走)ので、今年の上半期は積極的に出走させました。すでにフランス、アメリカ、イギリス、ドイツで走っているので、少し休養して、凱旋門賞に向けてリフレッシュさせようと思っています」。

 オブライエン調教師は、アルリファーのナショナルS(G1、カラ)でのG1初勝利から2年後の2度目のG1勝利(ベルリン大賞)は、ホッペガルテン競馬場で問われたすべての疑問に答えたと考えた。また、このドイツのG1は過去に凱旋門賞勝馬の前哨戦として成功していたと指摘した。

 デインドリームは2011年にベルリン大賞に優勝し、その数ヶ月後に凱旋門賞を制した。また、2020年の勝馬であるトルカータータッソは翌年の凱旋門賞を制している。

 彼は言う。「ベルリン大賞はアルリファーにとって初めての1マイル半(2400m)でしたが、勝つためにベストを尽くし、とても印象的な勝利を収めました。このレースは凱旋門賞馬を輩出してきた歴史があります。このレースで好走した馬は、凱旋門賞でも好走しています」。

 ベルリン大賞ではディラン・マクモナグル騎手が騎乗し優勝したが、凱旋門賞では55歳の伝説的な日本人騎手、武豊騎手に乗り替わる。武騎手は11回目の挑戦で、凱旋門賞初制覇を狙う。

 「武豊騎手は、凱旋門賞でアルリファーに騎乗予定です。松島(正昭)さんがこの馬を購入されたので、武豊騎手が騎乗します。彼は最高の騎手の一人と言っても過言ではないと思います。彼にとっても凱旋門賞を勝つのは夢でしょうし、私たちにとっても夢なのです」とオブライエン調教師は語った。

 オブライエンは調教師としてメルボルンカップ(G1)を2度、騎手としてもクラシックやG1を制しているが、アルリファーの凱旋門賞制覇はそれ以上のことかもしれない。

 「凱旋門賞は世界のどのレースよりも大きなレースです。正直なところ、出走馬がいること自体が特別なことです。質の高いレースで、現実的に勝ち負けの可能性があると話題になっている馬を出走させられることは、更に特別です。楽しみたいですし、いい枠順を引き当てられることを願っています」。

By David Jennings

(1ユーロ=約160円)

[Racing Post 2024年8月28日「'We've had the Arc in mind all year, he's the right type for it' - all roads lead straight to Longchamp for Al Riffa」]