海外競馬ニュース 2024年09月12日 - No.33 - 1
シンエンペラー、ロンシャンでの調教で愛チャンピオンSに向け視界良好(フランス)[その他]

 シンエンペラーは、9月14日のアイリッシュチャンピオンS(G1)に向けた準備の大部分を、ロンシャン競馬場での偵察も兼ねた追い切りで締めくくった。1ヶ月後の凱旋門賞(G1)で、日本馬として初めての勝利を挙げることを同馬の関係者は期待している。
 2020年凱旋門賞優勝馬であるソットサスの弟は、雨で柔らかくなった大周りコースを帯同馬のラファミリアとともに疾走した。大レースで活躍する坂井瑠星騎手と矢作芳人調教師は、9月9日(月)の夕方にフランスに到着する予定である。
 日本の競馬と生産は世界のどの地域にも引けを取らないと認識されているが、日本産馬の挑戦者たちはこれまで秋のヨーロッパのコンディションに適応するのに苦労してきた。しかし、ノルマンディーのモンソー牧場で生産され、アルカナ社8月1歳セールで藤田晋オーナーの代理として矢作調教師が210万ユーロ(約3億3,600万円)で購入したこのシユーニの牡駒は、その点ではそれほど弱くないことを証明するかもしれない。
 矢作厩舎の多数の海外遠征を監督してきた岡勇策調教助手は、次のようにコメントした。「追いきりではうまくロンシャンの馬場に対応していたと思います。先週はクリスチャン・デムーロ騎手と一緒にエーグル調教場で調教しました。その日は柔らかい馬場でしたが、シンエンペラーはうまくこなしていて、今日のロンシャン競馬場もまた柔らかい馬場でした。彼のフランスの血統は、この馬場にうまく対応する上で助けになるようです」。
 シンエンペラーはこれまでにG1競走で何度も接戦を繰り広げており、2歳時にはホープフルS(G1)で惜しくも2着、東京優駿(G1)では直線で末脚を発揮するまで時間を要して3着に敗れた。
 「シンエンペラーは新しい環境でもとても落ち着いています。2歳時に2,000mの京都2歳S(G3)を勝ち、2,400mの東京優駿でも非常に良い走りをしました。距離に関しては問題ありません。どちらの距離が適しているか分かりせんが、シンエンペラーはリラックスできるメンタリティを持っているので、両方に適応できます」と、ロンシャンでの追い切りでシンエンペラーを先導しラファミリアに騎乗した岡助手は語った。
 「肉体的には2歳時とは全く違いますが、東京優駿の時からさらに成長しているかどうかを判断するのは難しいです。このヨーロッパ遠征が、彼を将来へと導いてくれると信じています」。
 ロンシャンでのシンエンペラーの追い切りを目の当たりにしたレパーズタウン競馬場のCEOのティム・ハズバンズ氏は、日本調教馬のディアドラがアイリッシュチャンピオンSでマジカルの4着に終わってから5年が経つなか、矢作調教師の今回の挑戦を大変喜んでおり、次のように述べた。
 「2年にわたって矢作調教師と彼のチームを求愛してきた結末が、成功裏に終わることを願っています。私たちは彼らがアイルランド遠征を前向きに検討するために、懸命に働き、連絡を取り続けてきました」
 「このレースだけでなく、フェスティバル全体が国際色豊かで、世界各国からの出走馬が名を連ねています。世界中の151の放送局がレースを放映することからも、その意義と関心が高まっていることがお分かりいただけると思います」
 「この日にワールドプールの馬券発売が実施されることも、我々に国際的な立ち位置を与えてくれるので、非常に重要です。そして、9月14日(土)に9つのレースが行われることも、来場する競馬ファンに価値を与えています」。

 アイリッシュチャンピオンS(9月14日(土)、レパーズタウン競馬場)
 コーラル社の単勝前売りオッズ:2.25倍 エコノミクス、3.75倍 オーギュストロダン、6倍 ロスアンゼルス、12倍 オペラシンガー、14倍 ゴーストライター、シンエンペラー、16倍 その他

By Scott Burton
(1ユーロ=約160円)

[Racing Post 2024年9月8日「'His French pedigree seems to be a help' - Shin Emperor delights in Longchamp gallop ahead of Irish Champion Stakes bid」]