今年のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(G1)を逃げて勝利したゴリアットは、キングジョージと同じアスコット競馬場で10月に行われる英チャンピオンS(G1)には向かわないようだ。フランシス・グラファール調教師と馬主のジョン・スチュワート氏、フィリップ・フォン・ウルマン男爵は独ケルン競馬場のオイロパ賞(G1 9月22日)をステップに、11月24日に東京競馬場で行われるジャパンカップ(G1)に挑む果敢なプランを描いていることが分かった。
英チャンピオンSの前売りオッズで6倍まで人気をしていたゴリアットは、9月11日(水)朝に発表されたフォワ賞出走予定馬の5頭に名を連ねていなかった。グラファール調教師は、翌週のオイロパ賞に出走予定であることを明かした。ケルン競馬場から数マイル離れたところには、ゴリアットを生産したシェレンダーハン牧場がある。
「翌週のケルン競馬場に出走させる予定です。ただし、最大の目標はジャパンカップであり、逆算して東京の前に一走させるのであればオイロパ賞のタイミングはローテーション的に悪くないでしょう」と、グラファール調教師はコメントした。
「ジャパンカップは左回りのレースなので、どの前哨戦が最善なのかは難しいところです。(ジャパンカップの前に)英チャンピオンSに出走するのであればフォワ賞に向かう可能性はありましたが、そこまではしたくなかったのです。日本での一走に集中させたいと思っています」。
2005年にアルカセットとデットーリ騎手がハーツクライを退けて以来、欧州馬はジャパンカップ優勝から遠ざかっている。しかし、近年では海外馬にとっては魅力的な選択肢になっており、1着賞金270万ポンド(319万ユーロ=約5億円)に加え、日本以外での主要競走25レース(キングジョージを含む)とジャパンカップを両方勝つことができれば最大300万ドル(約4億2,000万円)のボーナスを手にすることができる。
グラファール調教師は管理馬をジャパンカップに出走させた経験があり、2015年にイラプトで6着に入り、翌年も同馬で14着という成績を残している。
米国を拠点に置くスチュワート氏は、ゴリアットのキングジョージの勝利後に所有権の75%を購入した。関係者は、米ブリーダーズカップ・ターフ(デルマー競馬場)への出走については、アドラーフルーク産駒でストライドの大きい同馬にとりコーナーがタイトすぎると判断し、その誘惑を拒否し続けてきた。
オイロパ賞は2022年にはレベルスロマンス、2021年にはのちの凱旋門賞のヒロインになるアルピニスタが優勝している。
(1ポンド=185円、1ドル=140円)
By Scott Burton
[Racing Post 2024年9月11日「No Ascot return for Goliath on Champions Day as Francis Graffard maps out ambitious Japan Cup plan」]