ヴァジラバド(父・マンデュロ)はシャンティイ競馬場で軽快な馬場馬術のステップを披露し、「第2の人生」の最高の舞台に向けて最終調整を行った。
ドバイゴールドカップ(G2)を3度制したヴァジラバドは、フランスの引退競走馬の再調教を行う慈善団体オードゥラデピスト(Au-Dela des Pistes:ADDP)のアンバサダーも務める。ADDPは今週、アガ・カーン殿下所有の同馬は凱旋門賞当日の10月6日、パリロンシャン競馬場の大観衆の前に誘導馬として登場し、更に馬場馬術の演技も披露すると発表した。
パリロンシャンでのヴァジラバドの登場は、現役を引退したサラブレッドたちがいかに他の馬術競技やレジャー用乗馬への順応性を有しているかを示すことになるだろう。同時に、今年で5年目を迎える「凱旋門賞プロミス(Arc Promise)」にも焦点を当てることとなる。「凱旋門賞プロミス」はフランスで最も競馬が盛り上がる週末に、引退競走馬に対する支援のための寄付を競馬産業内および生産界に呼びかける活動だ。
この活動は、米国でブリーダーズカップの主催者たちがサラブレッド・アフターケア同盟のために始めた類似の寄付活動を模範にしている。2日間の開催期間中に騎手、調教師、馬主、生産者が獲得する金額の一部を寄付するように呼び掛けている。
寄付された資金は、ADDPが認証する再調教施設やアフターケア施設へ移動する前の負傷した競走馬や休養・回復が必要な競走馬を受け入れるのに充当される。この過程は競技用またはレジャー用の馬として競走馬が生涯をともにする新たなオーナーを見つける上で重要な中間ステップだ。
凱旋門賞プロミスは開始以来の4年間で、20万ポンド(約3,800万円)以上を集めた。ADDPによると5万ポンド(約950万円)の寄付金で50頭の馬を6カ月間支援できるとのこと。
ヴァジラバドは2021年春、ADDPが掲げる活動のアンバサダー候補としてアガ・カーン・スタッドから競技ライダーのガエル・ジョンシュリー氏に預託された。
ヴァジラバドは馬場馬術競技に適応し将来性を感じさせたため、ジョンシュリー氏によって訓練が開始された。ヴァジラバドが土曜日にシャンティイ競馬場で披露した動きを見る限り、12歳になった彼は優秀、且つ我慢強い訓練生のようだ。
(1ポンド=190円)
By Scott Burton
[Racing Post 2024年9月25日「Three-time Dubai Gold Cup winner Vazirabad to parade at Longchamp as part of Arc Promise charity initiative」]