海外競馬ニュース 2024年10月24日 - No.39 - 2
強豪マイラーのチャリン、日本のマイルCSがラストランとなるか(イギリス)[その他]

 アスコット競馬場で行われたクイーンエリザベス2世S(G1)に勝利し、ヨーロッパにおける素晴らしいシーズンを締めくくったチャリンは、来月に日本でラストランを走って別れを告げることを目標としている。

 屈強な体躯に恵まれたチャリン(父ダークエンジェル)は、今シーズンを3月のドンカスター競馬場から始動し、7戦してG1・3勝を挙げている。多忙なスケジュールにもかかわらず、ロジャー・ヴェリアン調教師の管理する4歳馬は成長を続けており、11月17日に京都競馬場で行われるマイルチャンピオンシップ(G1)への遠征計画が具体化している。

 ヴェリアン調教師は月曜日、次のように語った。

 「チャリンはアスコットでの競馬から本当に良い状態で戻ってきました。まだ多くをこなしたわけではないですが、いい状態でレースから帰ってこれました。彼は素晴らしい体格の持ち主で、能力もまた素晴らしく、それこそが私たちが競走馬に求めるものです」

 「ムーランドロンシャン賞(G1)では思い通りにいかなかったからこそ、土曜日のアスコットで好走し確固たる地位を築くことが重要でした。今年は素晴らしい1年を過ごしましたし、国内でのレースを勝って締めくくることができたのは素晴らしいことです」。

 アスコットでキャリア最高のレーシングポスト・レーティング128を獲得したチャリンは、今年いっぱいで競走を引退し、フランスで種牡馬となる予定である。しかし、長いシーズンによる疲れがこのまま出なければ、馬主のヌルラン・ビザコフ氏とヴェリアン調教師は引退前に日本で走らせることを強く望んでいる。

 「日本に行く計画を立てていますが、馬の状態、雰囲気、そしてここから10日間の回復の様子次第です」とヴェリアン調教師は言う。「輸送の時点で状態が良ければ行くでしょうし、そうでなければ行かないでしょう。彼がいい状態で輸送に耐えられそうならば、出走を強く考えています」。

 東アジアへの遠征が実現すれば、ヴェリアン調教師にとって2度目の日本での出走となる。開業から間もない2012年にスリプトラでジャパンカップ(G1)に出走して以来である。日本へ向けて、レースのおよそ2週間前にニューマーケットを出発する予定である。

 土曜日の勝利により、ヴェリアン調教師のイギリスでの年間賞金総額は340万ポンド(約6億8,000万円)を突破した。シーズン初めにアモレーシングとオバイド殿下という最大のサポーターの後ろ盾を失ったことを考えると、とりわけ堅実な成績に思われる。

 ヴェリアン調教師はさらに次のように述べた。

 「良いシーズンだったと振り返るしかないでしょう。私たちはトップクラスを争っている厩舎で、G1や(エルマルカでの)クラシックでの勝利を収めてきました。数字的にはもう少し勝ち馬が欲しかったかもしれませんが、まだ終わったわけではないですし、来年に向けて楽しみはたくさんあります」

 「この1年で、2、3の大口の馬主を失ったことはよく知られていますが、もうそのことにこだわる必要もありませんし、前を向いて動いています。厩舎は好調で、来年も強い状態を維持していけそうです。今シーズンを振り返って複数の大きなレースで勝利を収めてきたことにも満足しなければならないでしょう。英国クラシックを制覇し、欧州トップのマイラーを擁しているのですから」。

By Lewis Porteous

(1ポンド=約200円)

[Racing Post 2024年10月21日
「Charyn on target for Japan swansong as Roger Varian hails top miler's 'unbelievable constitution'」]