海外競馬ニュース 2024年02月22日 - No.7 - 1
レベルスロマンス、アミールトロフィーで復活V(カタール)[その他]

 2月17日にカタールのアルライヤン競馬場で行われたHHアミールトロフィー(G3)で、レベルスロマンス(セン6、父ドバウィ)は2022年のブリーダーズカップターフ(G1)を制した時の調子を取り戻した。同馬は並みいる海外の強豪を打ち破ると同時に、中東の芝レース戦線序盤におけるゴドルフィンの覇権を守り続けた。

 後続の2着から4着には、日本馬3頭が続き存在感を示した。

 チャーリー・アップルビー調教師のもとで管理され、ウィリアム・ビュイック騎手を背にレースを迎えたレベルスロマンスは、11頭立てのレースの中でひときわ目立つ走りを見せた。直線では内ラチ沿いを進むと、あっさりと抜け出して2馬身差の危なげない勝利を飾った。良馬場の2400メートルを2分28秒84の勝ち時計で駆け抜けた。

 2着以降にはゼッフィーロ、サトノグランツ、ノースブリッジがそれぞれ続いた。昨年このレースを制した香港馬ロシアンエンペラーは、6馬身半差の5着に沈んだ。

 クールモアのホープであるポイントロンズデールは、終始ワンペースで直線では進路を見つけられず、目立たぬままライアン・ムーア騎手が最下位でゴールさせた。

 レース後、ビュイック騎手は記者に対して次のように語った。

 「馬自身が本当に楽しんでいました。ハナを切るのはプランAではありませんでしたが、チャーリー(アップルビー調教師)は10番枠からでも前でレースをしたいと言っていましたから」。

 「先頭に立った後も馬は落ち着いていました。BCターフを勝ったのもそう昔のことではないですし、彼のベストの状態に近づいてきているのではないでしょうか。カタールで勝つことが出来てすごく嬉しいです」。

 アミールトロフィーは現地ではローカルG1(国際G3)として格付けられているものの、出走メンバーにはトップレベルの実力馬がひしめいており、ここでの勝利はレベルスロマンスに取ってよいきっかけとなった。

 このレベルスロマンスの復活により、ゴドルフィン、アップルビー調教師、ビュイック騎手のトリオはメイダン競馬場(ドバイ)の芝レース戦線での快進撃を引き継いだことになる。このトリオは、時折ゴドルフィンのもう1人の調教師であるサイード・ビン・スルール調教師の後押しも受けつつ、ドバイワールドカップカーニバルの間の芝レースでほぼ無敵を誇っている。

 ゴドルフィンは、2月24日にサウジアラビアで行われるネオムターフカップ(G2)と1351ターフスプリント(G2)でも大きなチャンスがある上、レベルスロマンスを含む有力馬が3月30日のドバイワールドカップ開催での出走を視野に入れている。

 アップルビー調教師は、レベルスロマンスが良い状態で戻ってくれば、今年最もタフな舞台のひとつとなるであろうドバイシーマクラシック(G1)が次のターゲットとなる可能性を示唆した。夏には北米での出走も視野に入れているという。

By Bob Kieckhefer

[bloodhorse.com 2024年2月17日「Rebel's Romance Back to Form in Qatar Triumph」]