フランキー・デットーリ騎手は3月3日(日)に行われた由緒あるサンタアニタH(G1)をニューゲートで制し、アメリカに拠点を移して以来初のG1勝利を成し遂げた。
ボブ・バファート調教師の管理馬であるニューゲートに騎乗したデットーリ騎手は、2000mのレース終盤で仕掛け、2着となったサブサナドールをアタマ差で凌いで賞金総額40万ドル(約6千万円)のレースを手にした。
昨年"さよならツアー"に出た53歳の同騎手は、その後カリフォルニアでの現役続行を発表していた。バファート調教師と馬場でハイタッチをした後、フライング・ディスマウントで米国移籍後最大の勝利を祝った。
デットーリ騎手はレース後次のように語った。
「まだ自分が子供だった80年代後半、このレースでファーディナンドとアリシーバが走るのを見に来ました(1988年)。観客が6万人も詰めかけていて、身動きが取れませんでした。本当に感動したのを覚えています。去年初めてビッグキャップ(訳注:サンタアニタHの愛称)で騎乗できて夢のようでしたが、今回は勝つことが出来て感無量です。この勝利は私にとり最高の誉れです。これほど偉大なレースはありませんから。
道中は控えて、残り400mから外に持ち出して、他馬と一緒にポジションを上げていきました。差し切れるだろうとは思っていましたが、公平に見てサブサナドールもよく粘っていました。最後の20mで前を交わしたときは信じられない気持ちでした。まさかこのレースを勝ってしまうなんて」。
バファート調教師にとってこのレースの勝利は、殿堂入り候補のゲームオンデュードで挙げた3勝を含め、通算6度目となる。師は次のようにコメントした。
「直線に入ったときは前を行く馬に逃げ切られるのではと少し心配しましたが、よくついていってくれました。歴史的なレースですし、フランキー・デットーリで勝つことが出来たのは本当に特別なことです。
彼は満員の競馬場でアリシーバとファーディナンドが一緒に走ったレースを見に来たことを話していましたから、このレースの歴史の重みを知っているのです。本当になんという日でしょうか。最高に幸せな気分です」。
デットーリ騎手とバファート調教師のコンビは、その前に行われたサンフェリペS(G2)もイマジネーションで制している。また、バファート調教師はこの日のもう1つのG1、フランクEキルローマイルSをフラヴィアン・プラ騎手騎乗のデュジュールで勝利した。
現地のランキングで現在4位につけているデットーリ騎手は、昨年12月26日にカリフォルニアで騎乗を開始して以来23勝を挙げ、賞金約130万ドル(約1億9,500万円)を獲得している。
By Andrew Dietz
(1ドル=約150円)
[Racing Post 2024年3月3日「'It's a big feather in my cap' - Frankie Dettori claims biggest win of US stay in historic race at Santa Anita」]