ラドブロークス社(Ladbrokes)は、ノルウェー国内での賭事事業の開始を阻止する同国政府との間で係争中である。このほどルクセンブルグ(Luxembourg)にある欧州自由貿易連合(European Free Trade Association: EFTA)裁判所は、ラドブロークス社勝訴の判決を下した。
EFTA裁判所は、「宝くじ・スポーツ賭事は、賭博依存症や犯罪と闘うために、国あるいは非営利団体により運営されることが必要である」というノルウェー政府の主張を退けた。
同判決は、「独占的権利に基づく制度が、民間事業者の市場参入を完全に拒否していれば、それはサービス提供の自由や法人の開業の自由を侵害することになる」と指摘した。
また同判決は、「賭博収益は社会的に有益な目的のために使用されるべきである」というノルウェー政府の主張を否定し、「慈善・公益活動に資金提供するという賭博運営の目的は、自由な事業活動を制約するための客観的な根拠とならない」と指摘した。
2004年6月にラドブロークス社が提出した賭事免許申請が拒否された事案について、訴訟を担当するオスロの地方裁判所が、法律解釈についてEFTA裁判所に判断を求めていた。
本件はEFTA裁判所からオスロ裁判所に差し戻されたあと、EFTA裁判所の法律解釈に基づいて判決が下されることになる。
ラドブロークス社のインターネット賭事担当理事ジョン・オライリー(John O’Reilly)氏は、この結果を“緒戦の勝利”と呼び、「判決は、ノルウェーの賭事・博戯法とEU条約との間の不一致を解消するよう、ノルウェー政府に促しているのです」と語った。
By Howard Wright
[Racing Post 2007年6月1日「Ladbrokes’ ‘partial victory’ over Norway」]