海外競馬情報 2007年09月07日 - No.17 - 2
トラックネットメディア社、海外賭事業者と協定を締結(アメリカ)【開催・運営】

 チャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.)とマグナエンターテイメント社(Magna Entertainment Corp.)が共同所有するメディア管理会社のトラックネットメディア社(TrackNet Media Group: TNMG)は、系列の競馬場のレースを賭けの対象にする場合のリベートについて、海外賭事業者のエリートターフクラブ社(Elite Turf Club: Elite)ならびにレーシングアンドゲーミングサービス社(Racing and Gaming Services: RGS)と協定を締結した。

 この新しい協定は、EliteとRGSに対し年間馬券購入額が100万ドル(約1億2,000万円)に達しない顧客にリベートを与えることを禁止するものである。EliteやRGSのようなリベートショップは、馬券購入額の一定率の割戻しにより大口顧客を引きつけている。

 協定では、EliteとRGSに対しTNMGが定めた公正確保指針を遵守することを要請している。この公正確保指針にはサラブレッド競馬保護局(Thoroughbred Racing Protective Bureau)による人物経歴審査が含まれる。

 関係する競馬関係団体と取締機関の承認を得ることを条件として、EliteとRGSの顧客は、チャーチルダウンズ、サンタアニタパーク、ガルフストリームパーク、フェアグラウンズ、アーリントンパーク、ピムリコ、ゴールデンゲートフィールズ競馬場、およびトラックネットメディア社を通じて放映される他の競馬場のレースへの賭事を行うことができる。

 TNMGの最高経営責任者スコット・ダルティ(Scott Daruty)氏は、「カジノから航空会社、クレジットカード会社にいたるまで、ほとんどすべての産業が優良顧客に報奨金を出しています。弊社は競馬賭事産業においてもそのような報奨金が必要であると認識しています。その際注意すべきことは、優良顧客にリベートを支払うことが、“競馬場ならびに競馬関係者への適正報酬を確保する”という最終目標の実現を妨げないようにすることです。リベートに関する新基準が、年間100万ドル未満の大口顧客へのリベートを制限することによって、競合する競馬場との利益バランスをとれると確信しています」と語った。

 カリブ海に浮かぶセントキッズを本拠とするRGSの最高経営責任者カーク・ブルックス(Kirk Brooks)氏は、「この協定は競馬場・競馬関係者の利益とトップレベルの大口顧客の利益をうまく両立させるものである」と述べている。

 ダルティ氏は、TNMGが、大口顧客が精巧な予想プログラムを組み込んだコンピューター勝馬投票を利用することを今後も認めると述べた。

 同氏は、「世の中には数千万〜数億ドルを賭金プールにつぎ込んで賭けをする人々がいますが、彼らは競馬場に来て賭けません。彼らは大変精巧な賭け方を考案する金融や数学の天才です。私は彼らに大いに馬券を買ってもらうようにすべきだと考えます」と述べた。

 同氏は、TNMGは競馬賭事がすべての顧客にとってできるかぎり公平であることを確かなものにするための基準を開発していると述べ、次のように付言した。

 「世間にはレース発走後の馬券購入についての数々の噂があり、コンピューター利用顧客が三連単のプールに発走後アクセスしているという噂もありました。これはトートに情報が残っていないため追跡不可能なのですが、私たちはこのようなことが起こらないことを確実にします。確かに、プール締切り直前に賭金が入ってきて、直前にオッズが変わることもありますが、それはコンピューター利用顧客のみから来るものではありません。これらすべての認識は重要ですし、私たちは顧客がプールの公正性に信頼を置くよう対処していかなければなりません」。

By Pete Denk
(1ドル=約120円)

[thoroughbredtimes.com 2007年8月2日「TrackNet Media reaches agreement with offshore betting companies」]