キーンランド協会(Keeneland Association: KA)とファシグ・ティプトン社(Fasig-Tipton Co.: FTC)は、2008年に45日間開催するセリで当歳馬と1歳馬に対して外因性のアナボリック・ステロイドの使用を禁止する共同方針に合意した。
1月から、KAあるいはFTCのオークションでの当歳馬・1歳馬の購買者は落札時にステロイド検査を要求できることになる。その検査で外因性アナボリック・ステロイドの陽性反応が出た場合は、落札者は要請通知を受けてから24時間以内に購買を取り消す権利を得られることになる。落札者は検査料の500ドル(約6万円)を負担するが、検査結果が陽性の場合は売り手がこの費用を負担しなければならない。
KAのニック・ニコルソン(Nick Nicholson)会長とFTCのウォルト・ロバートソン(Walt Robertson)会長は11月15日の共同声明で、「これは自分たちの会社の競争力を高めるためではなく、公正確保上の問題です。私たちは、方針を確立し、関係者全員にとって実用的で公正な検査手続きを整備することによって、サラブレッド産業全体の信頼を守ります」と語った。
ボルデノン、テストステロン、スタノゾロールといった外因性アナボリック・ステロイドは、アメリカでは競走馬と育成馬両方の治療薬に分類され、連邦政府によって規制されてきた薬物である。ステロイドの使用は、競馬の薬物規制標準化委員会(Racing Medication and Testing Consortium)によって最近再検討された。
KAとFTCは、上記の方針を具体化するために、セリ会社2社、販売受託者および商業生産者協会(Consignors and Commercial Breeders Association: CBA)、開業獣医師、ステロイドと薬物の主要検査機関の代表者で構成された委員会を発足させた。
新しいガイドラインのもとでは、落札者は購買時に、外因性アナボリック・ステロイド検査のために、当該馬の血液検体の採取を要請できる。それを受けてセリ会社は、指定獣医師による検査を手配し、売り手と落札者にその検査結果をすみやかに報告する。
アメリカでこの方針を実行するサラブレッドセリ会社はKAとFTCがはじめてである。
By Steve Bailey
(1ドル=約120円)
[thoroughbredtimes.com 2007年11月15日「Keeneland,Fasig-Tipton crack down on anabolic steroids」]