1月22日ドバイで開催されたアジア競馬会議で、世界のトート運営者が打ち出した新構想に従って、イギリスや香港の競馬ファンは、今年の夏までには国際的な3連勝単式馬券を手にする事ができるようになるだろう。
フランス場外馬券発売機構(Pari Mutuel Urbain: PMU)のベルトラン・ベランギエ(Bertrand Belinguier)会長は、イギリス・トート社デヴィッド・クレーバン(David Craven)代表も参加したアジア競馬会議(Asian Racing Conference)作業部会のあと、レーシング・ポスト紙に「週末に行われている世界の主要競走をリストアップし、これを対象に各国の発売金を合算して世界中で馬券が発売されることになるだろう」と語った。
合算される発売金の予想額は示されなかったが、イギリス・トート社の現在のパリミューチュエル式勝馬投票発売金プールに比べれば、かなり多額になるものと期待される。
ベランギエ会長は昨年10月パリで開催された国際競馬統轄機関連盟(International Federation of Horseracing Authorities)会議おいてこの作業部会の座長に指名された。ARCにおける会合は内々で検討してきたことの最初の具体的な成果といえる。
同会長は「会合の初めに、我々が長年にわたり国際的な発売金合算を話し合ってきたことと申しあげました。これからの2年間もこの話し合いを続けることができますが、私としては、何かを実行に移す時期だと考えます」と述べた。
ベランギエ会長は、「作業部会として、3連勝単式が国際的に最も適切な商品であるので、熟慮の結果これを選んだ」と語った。
主催者たちは年間計画の骨子をまとめたことで事前に望んでいた以上のことを達成できたと考えている。
この計画で、対象とするのは世界中で最も親しまれている週末のレースです。スウェーデンとフランスは、主要なサラブレッド競走の他に速歩競走も含めるだろうとベランギエ会長は語った。
他には、香港、オーストラリア、アメリカ、アイルランドが参加する。発売額は競走主催国のプールに転送され、各国の控除率等を考慮して払戻額が計算される。
イギリスではダービーが含まれることが期待されており、アイルランドではアイルランド・ダービーが対象となるだろう。
12月、トート社の最高経営責任者トレヴァー・ボーモント(Trevor Beaumont)氏はイギリスのファンが近々新しいタイプの馬券を楽しめるようになるだろうと語った。
その時、ボーモント氏は「我々の目的は、イギリスの競馬が世界中で発売されることによって海外配信が促進され、またできる限り迅速にイギリスの競馬ファンのために新しい馬券を提供することです」と語った。
By Howard Wright
[Racing Post 2007年1月23日「 Tote operators to join forces in“global trifecta”」]