4つの主要なセリ会社、バレッツ社(Baretts)、ファシグティ プトン社(Fasig-Tipton)、キーンランド協会(Keeneland)およびオカラ・ブリーダーズ・セールズ社(Ocala Breeders’ Sales Co.: OBS)は、薬物、治療行為、鞭および蹄鉄に関する統一方針を作成した。4社の合意は1月21日に発表され、統一方針は2月17日にカリフォルニア中部で 開催されるOBSの2歳調教馬のセレクトセールから実施される。
レプラコーンレーシング社(Leprechaun Racing)のオーナーであり、全米2歳馬コンサイナー協会(National Association of Two-Year-Old Consignors: NATC)の会長であるマイク・マリガン(Mike Mulligan)氏は「これは売り手と買い手双方にとってメリットがあります。方針の大半は私たちが販売を行うほとんどの地域で何らかの形で導入されて います。しかし、私たちはセリ会社間および州間での統一を得たいと考えていました。NATCの理事会は統一を図るため、全般にわたってすべてのセリ会社と 密接に連携しました。成果のすべてに満足しています」と語った。
発表によれば、セリ会社の役員たちは統一方針を作成するために、NATCに加えてコンサイナー・商業生産者協会(the Consignors and Commercial Breeders Association)、売り手および獣医師たちからも意見を求めた。この統一方針は最低限度を定めた指針と見なされており、セリ会社は自身の判断でよ り厳しい方針を適用することができる。
ファシグティプトン社のウォルト・ロバートソン(Walt Robertson)社長は、次のように語った。「統一方針の作成過程は数ヵ月におよびましたが、私たちはこのことをずっと以前から考えていました。方針 の統一は進行中の作業であることは確かです。今後は他の問題が持ち上がってくるかもしれませんが、現時点ではこれが妥当な方法であり、購買者から信頼を得 られるものと期待しています」。
「最終的には、馬の購買が容易になるでしょう。購買者はさらに保護され、関係者すべてとって改善になります」。
統一方針は、販売の領域における次の治療行為を禁止する。(1) 体外衝撃波治療あるいは橈骨動脈拍動治療、(2) 針治療や咽頭機能に変化をもたらす目的での電気刺激法、(3) 馬の走行スピードを速めるための電気装置の使用、(4) 肉体的欠陥や慢性的跛行を隠蔽するあらゆる侵襲的行為。なお、いかなる時も馬の実際の肢勢を隠すために膝にブリスター剤やその他の薬剤を注射することは許 可されない。
統一方針は2歳馬の展示走行での鞭の使用に関し、(1) 最終直線1/8マイル(約200 m)における鞭の使用方法を制限し、(2) ゴール後はどんな方法であれ鞭を入れることを禁止する。ただし、馬あるいは騎乗者が危険に晒されるときは、馬をコントロールするために腹帯より前部に鞭を 入れることが許される。
蹄鉄に関する統一方針は、2歳馬セリ上場馬の展示走行の際に歯鉄(traction devices)を用いることを制限する。薬物ガイドラインにおける統一方針には、上場馬を治療するために用いられる非ステロイド系抗炎症薬(non- steroidal anti-inflammatory drugs(NSAID))とステロイド系抗炎症剤 (corticosteroid)の制限、そしてセリ45日前から上場馬に外因性アナボリック・ステロイドを投与することを禁止することが含まれている。
By Deirdre B. Biles
[The Blood-Horse 2009年1月31日「Major Sale Companies Implement Broad Uniform Regulations」]