総工費十億ドル(約1000億円)をかけて建設された新メイダン競馬場で初めて開催されるドバイワールドカップデイ(3月27日)に、賞金総額100万ドル(約1億円)の芝の短距離競走が追加される。
その追加レースは、アルクオーツスプリント競走[G3 6ハロン(約1200 m)]で、芝の直線コースで施行される。芝の直線コースは、14年間使用されていた旧ナドアルシバ競馬場と新メイダン競馬場の相違を際立たせるものである (訳注:アルナドシバ競馬場の1200 mのシュートは外側にダート馬場、内側に芝馬場が平行して設置されていたが、新メイダン競馬場の1200 mシュートは芝馬場だけが設置されている)。
2009年2月にJJザジェットプレーン(JJ The Jet Plane)がアルクオーツスプリント競走に優勝した当時は、賞金総額わずか20万ドル(約2000万円)で、ワールドカップデイに先立って実施されるド バイ・インターナショナル・レーシング・カーニバルの前半に開催されていた。
メイダン競馬場の役員で、馬主でもあるマリ・アル・バスティ(Malih Al Basti)氏は、「高いレーティングを持つ短距離馬は圧倒的に芝馬が多いのが実情です。そこで、米国から強豪ダート短距離馬を惹きつけてきたゴールデン シャヒーンの豊かな歴史に、さらにアルクオーツスプリント競走を加えることで、私たちは今や世界中の強豪ターフ短距離馬も惹きつけることになるでしょう」 と語った。
「この新たな競走は、馬がドバイに出走後にロイヤルアスコット開催あるいはシンガポールのクリスフライヤー競走(Krisflyer G1 1200 m)に出走することを可能にし、国際競走のカレンダーに完璧に組み込まれます」。
将来、アルクオーツスプリント競走を、グローバルスプリントチャレンジの1競走にするかどうかについて、英国、豪州、香港および日本からの競馬統括機関の役員たちが3月にドバイで開催する会議で検討する予定である。
なお、以前、ダート直線コースで施行されてきた6ハロン(約1200 m)のドバイゴールデンシャヒーン[ダートG1 賞金総額200万ドル(約2億円)]は、8競走からなるドバイワールドカップデイの1競走として残される が、予想に反して、全天候型のタペタ馬場(芝馬場の内側)の円周コースで施行される。
ドバイワールドカップデイの番組−2010年3月27日(土) | |||
競 走 | 賞金総額 | 距 離 | 馬 場 |
ドバイワールドカップ(G1) | 1000万ドル(約10億円) | 2000 m | タペタ馬場 |
ドバイシーマクラシック(G1) | 500万ドル(約5億円) | 2400 m | 芝馬場 |
ドバイデューティフリー(G1) | 500万ドル(約5億円) | 1800 m | 芝馬場 |
ドバイゴールデンシャヒーン(G1) | 200万ドル(約2億円) | 1200 m | タペタ馬場 |
UAEダービー(G2) | 200万ドル(約2億円) | 1900 m | タペタ馬場 |
ゴドルフィンマイル(G2) | 100万ドル(約1億円) | 1600 m | タペタ馬場 |
アルクオーツスプリント(G3) | 100万ドル(約1億円) | 1200 m | 芝馬場 |
ドバイカハイラクラシック−純血アラブ競走(G1) | 25万ドル(約2500万円) | 2000 m | タペタ馬場 |
15回目の開催においてドバイワールドカップ(G1)の賞金総額は1000万ドル(約10億円)に引き上げられ、7つ目のサラブレッド競走(アルクオー ツスプリント競走)が追加されたことから、カード全体で、総額2625万ドル(約26億2500万円)の賞金を提供することになる。
馬場形状の変化にともなう他の変更は、ドバイデューティフリー(G1)の競走距離がこれまでの1777 mから1800 mとなり、UAEダービー(G2)の競走距離がこれまでの1800 mから1900 mに延長されることである。
メイダン競馬場は6週間にわたる9日間開催のカーニバルのために、1月28日に開場することになっている。
メイダン競馬場の会長でCEOであるサイード・アル=タイヤー(Saeed Al-Tayer)氏は、「2010年ドバイワールドカップは、メイダン競馬場が世界のサラブレッドの目標になるという重要な使命を持つので、アラブ首長 国連邦の競馬だけではなく、世界の競馬にとって画期的な出来事になるでしょう」と語った。
By Howard Wright
(1ドル=約100円)
[Racing Post 2009年12月24日「$1m turf sprint added to Dubai World Cup card」]